2022.06.28

"裏"ツーリングマップル!? -地図に載せきれない・載せられない取材ネタ- Vol.14 紹介するのが悩ましい”お酒”にまつわるスポット

ツーリングマップルでは、毎年各エリアの取材担当がバイクで実走取材を行っています。取材は春から秋にかけて合計で約30日間ほど行われ(準備期間を含めるともっと日数をかけています)、その中で、担当者はいろいろな情報を入手します。しかし実際に地図上に載る情報は、その中のごく一部にすぎません。ツーリングマップルは本なので、スペースに限りがありますし、すごくおススメなんだけどたくさんのお客さんが一度にくると対応できない施設や、いつやめるか分からないお店なども…。そんなさまざまな事情で紙面に載せられなかった情報を、今回”裏”ツーリングマップルとしてご紹介していきます。 今回は中国四国担当の博田さんから、「バイクでの運転」が前提のツーリングマップルでは紹介が悩ましい酒蔵についての紹介です。

著・博田巌

【気楽に「酒蔵巡り」】


最近の実走取材時の個人的な楽しみの一つが各地の「酒蔵巡り」。取材先で時間がある時は、近くに酒蔵が無いか調べてみます。そうして見つけた大小さまざまな酒蔵に、「こんな所にこんな特徴的な酒蔵があるのか!」と、感心しながら出向いてみたりしています。 軒先に杉玉の掛かった、酒蔵ならではの趣ある歴史ある建物が多く、誌面にも情報の掲載をしたい… …のですが、飲酒運転につながってはいけないかな(勝手な思い込みですが)との思いから、広島県東広島市、西条の酒蔵通り(ツーリングマップル中国四国44I-5)など、よほどの特徴がある場所しか誌面には載せてないです。

かつお一本釣りの町高知県中土佐町久礼の「西岡酒造店」

広島県竹原市ニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝氏の生家「竹鶴酒造」

歴史を感じる西条の酒蔵通りの賀茂鶴酒造

お酒は味わえないけれど、お店での会話は味わえる


そんな日本酒の製造元を訪れるときは、取材目的でなく、「店先で雰囲気の良い写真が撮れたらいいな」くらいの感じが多く、蔵見学もしないのですが 「初めてですがおすすめはありますか?」 とお店の方との会話は楽しみにしています。

美しい白壁が続く創業400年高知県佐川町「司牡丹」

昨年7月8日の豪雨で被害を受けた広島県竹原市「龍勢」醸造元・藤井酒造

【旅のことを思い出しながらの一杯がたまらないんです!】


そんな旅先で見つけた酒は、日本酒好きの父や友人にお土産に買って帰りますが、蔵の雰囲気を思い出し、お店の方との会話、どんなお米使っているか、などを思い浮かべながら自宅で味わうのは格別ですね。本当は現地で地元の食と一緒に味わえるといいのですが、時間も限られた実走取材ですので帰ってからの楽しみにしています。 最近ではその土地ならではの「クラフトビール」の醸造所も目に付くようになり、こちらも気になります。

大山祇神社参道にある地元の柑橘を使ったクラフトビールが楽しめる「大三島ブリュワリー」

ゆっくり味わう旅は格別


博田さんのお話、いかがだったでしょうか。取材中に見かける蔵元!私もかつて取材でとある焼酎蔵に立ち寄ったことがありまして。運転があってどうしたって飲めない私に、お店の方も「本当は飲んでみてほしいんだけどねえ。せめて香りだけでもどうです?」といろんな焼酎の香りをかがせていただいたことがあります。この時気になった1本を購入。持ち帰って飲んでみるとものすごくおいしかった(周りの人も絶賛だったので、決してプラシーボ的なものではないはず…)思い出があります。 さておき、滞在型の旅であれば、蔵の近くに宿泊先を確保して、歩いたり公共交通機関でお酒を楽しめると最高ですね。ツーリングマップルに酒蔵、載っててもいいと思うんですけどね。でもコンプライアンス的に…我々に飲酒運転を促すつもりが全くのゼロだったとしても、何かが起きる可能性がないとは言い切れないし、「ちょっとくらいいいか」って誘惑に流される人がいるかもしれない…「自己責任」で片づけられる問題じゃない…とまあ考え出すといろいろな問題が。 ツーリングマップルに載るかどうかはさておき、酒蔵ツーリングはとても奥深いものがあり、その土地を深く知ることができます。ぜひ一度お試しを!

左:通常版(税込¥2,200) 右:R版(税込¥3,300)