2022.08.24

スズキVストローム250ABSに一週間乗ってみた 街でもキャンプでも快適な万能アドベンチャーツアラー

250ccクラスの”旅バイク”と言えばスズキ「Vストローム250」。今回はそのVストを一週間お借りして、キャンプツーリングや通勤に使用してみたのでレビューをお伝えします。

著・編集部マスキ

大人気のVストローム250、だけど編集部的にはやっぱり…


スズキ「Vストローム250」と言えば、2017年に発売が開始されるやいなや、一躍「旅バイク」として大人気となり、不動の地位を確立したバイクです。しかし我々ツーリングマップル編集部としては、もうひとつ別なイメージがどうしても浮かんでしまいます。 それはツーリングマップル東北取材担当のカソリさん。ご自身の「70代編日本一周」をこのVストロームで走ったほか、現在も含めて全国を駆け巡っておられます。かつてTwitterもやっていて「見たことがある」っていう方も多いのではないでしょうか。 また、2021年のSSTRでも中村さんが乗ってましたね。ということで、なんやかんやとツーリングマップルとのご縁も深いVストローム250です。

2019年度R版表紙(左)と2021年度R版表紙(右)。全く同じ車両が2回表紙に登場したのはこのVストローム250のみ!

2021のSSTRは初めてということもあって波乱続きでした(動画のリンクは下記からどうぞ)

キャンプツーリングするならVストでしょ!


さてさて、YouTubeのツーリングマップルチャンネルの方では先に動画(リンク下記にあり)をアップさせていただいていますが、とある7月某日、小林夕里子さん(通称コバユリさん)が代表を務めるアウトドアブランドnomadica(ノマディカ)のキャンプイベントに参加することになりまして。これは「ちょうど良い」ということで(すみません)、Vストローム250でキャンプツーリングをしてみたい!と、スズキさんにお願いして車両をお借りすることになったのでした。 恥ずかしながら実は私、本格的なキャンプツーリングは初めてだったので(クルマでのキャンプにはよく行くのですが‥あと昔は野宿だった)、安心して荷物を載せられるバイクが良いなと。バイクだと当然、クルマに比べて荷物の量に制約があります。ただ正直どれを持っていけばいいかの見極めがまだあまり出来ていないので、できるだけたくさん積めた方がありがたいと。じゃあやっぱVストでしょうよ。 「あ、でも肝心のバッグもない!用意しなきゃ…」ということで、今度はバッグをタナックスさんにお願いしてお借りしに行ったのでした。みなさん、本当にどうもありがとうございます。(※タナックスさんのバッグ紹介は別記事にて・・・)

そうして出来上がった「Vストローム250キャンプ仕様」。カッコよすぎる!

250ccには見えない逞しさ。でも実際は…?


キャンプツーリングに出かける前に、まずは通勤で都心を走ってみました。杉並区にある自宅から江東区の職場まで約40分程度。文字通り都心を走り抜けます。交通量が比較的多い時間帯、信号も多いエリアですが、結論から言えば特に何ら不満なく、スイっと走ることができました。 Vストローム250は、250ccにしては大きく見えると誰もが言います。職場で見た同僚たちも同じように言っていました。それだけ大きいということは、小回り・機敏性は期待できないのか?というとそんなことは全くなく、有り余るパワーを抑えるような慎重さも要らないし、250㏄らしく車線変更もキビキビとできます。そして何より低速から安定しているし、信号待ちでもストレスは特に感じません。エンジンの挙動には一切不安を感じませんでした。不安を感じるとすれば今年10数年ぶりにリターンした私の技量のみですね…(苦笑)。

暑すぎてコンビニ休憩中

はたから見ると大きいけれど、跨ってみるとコンパクト


そもそも、大きいっていうイメージが先行しちゃってますが、実際にまたがってみると思いのほかコンパクトに感じるんですよね。もちろん同じ250㏄のネイキッドとかに比べるとそりゃ全幅も10cmくらい大きかったりはするんですが、それも思ったほどではないと。だから都心(街中)を走っても何ら不便なく走れるのかなと。 本当に、頼りがいのある車格と、操縦しやすさを両立してて凄いなと感じました。

足つきとシート形状


気になるシート高は800mmです。身長180cm弱の私の場合は両足ともべた足で、さらに少しゆとりがある感じ。同じ800mmのバイクでも、こんなにゆったりしたのは初めてで、これは前に向かってしっかり”くびれている”シート形状、そして車体形状のおかげかなと思いました。それはそのままニーグリップのしやすさにもつながっているような気がします。 前側は絞り込まれていますが、お尻を載せる位置ではしっかりと幅があるので、安定して座っていられるし、柔らかめかつ弾力あるシートはロングツーリングでも疲れにくくなっています。

シート高は800mmだけど思ったより足つきがいい

このシート形状と材質に感動した!

高速も峠も難なくこなせます


実際のキャンプツーリングに出かけてみました。もとより不安は無かったのですが、Vストローム250なら高速道路も難なく乗っていけます。80~90kmくらいが安定してますが、グッと加速して追い越しも十分できます。100kmを超えてくるとビリビリと少し振動が出てきますが、一時的にであれば気にするほどでもないですね。ウインドスクリーンがしっかり風を防いでくれるのもありがたいところ。ナックルガードもついてるし、足に当たる風も少ないです。まあこの日は酷暑ともいえる暑い日だったので、「むしろ風当たってくれ!」って思っちゃいましたが(苦笑)しかしいたるところに旅ライダーへの配慮が・・・すごい。 浅間山の麓にあるキャンプ地に行く途中、碓氷峠を走ってみましたが、下手クソな私でもドキッとすることなく(もちろん速度は控え目でしたが)安全に楽しめましたよ。うーんまるで欠点が見当たらない。

高坂SAでパシャリ。旅バイクだ~

高坂SA(下り)の名物「初狩醤油のみたらし団子コッペパン」旨し!

キャンプ場でも絵になるバイク


キャンプ場に着き、砂利道を通ってテントサイトへ。この砂利道に関しても、足を出したり急なフロントブレーキをしないなど基本に気を付けながら走れば何と言うこともなく。ふつうに走れます。林道を本格的にというのは躊躇してしまいますが(カソリさんはガンガン行ってましたけどね)、ちょっとした未舗装路なら余裕で進めるでしょう。 それにしても、キャンプが似合う(笑)

テントから眺めるバイク、いいですね

積載することでよりたくましく

まとめ


いやはやVストローム250、実は発売前の2017年東京モーターサイクルショーではじめて見かけて以来、ずーっと注目してました。何なら私、買うつもりでバイク屋さんに行ったこともあるんですけどね(その時は家庭の事情でうやむやに…)。ようやく乗ることができました。 感想は述べた通りで、本当に250㏄の旅バイクとして、非の打ち所がないなというのが正直なところです。今回はタナックスさんのバッグで行きましたが、純正のパニアもオプションで用意されています。そちらもなかなかカッコいいですよね。これだけ色んな装備がついて、お値段税込613,800円ですから、なんて良心的なんでしょうか。そしてその丈夫さも、我らがカソリさんが証明済みです(5年で20万キロが見えてきた)。 というわけで、自信を持ってお勧めできる旅バイク、Vストローム250の紹介でした。では!