2023.09.04

【夏のツーリング】暑さを避けて早朝&夜に訪れたいツーリングスポット5選~関西編~

予想以上の猛暑が続く2023年の夏。昼間のツーリングは、快適ではないとともに、時には危険な状況になることもあるので、できれば避けたいですね。そうなると、早朝や、暑さがやわらぐ夜にお出かけはいかがでしょう。また、少し早く宿泊場所に到着して、町歩きや自然観察なども良いですね。 第7回は関西エリアでそんな昼間の時間を避けて訪れたいスポットを紹介します。

著・滝野沢優子

オススメはココ!


1.高野山【和歌山県】 2.鳥取砂丘【鳥取県】 3.伊勢神宮【三重県】 4.奈良公園【奈良県】 5.淡路サンセットライン【兵庫県】

1.高野山


弘法大師空海によって開かれた宗教都市。標高800mなので下界よりずいぶん涼しい。まだ観光客がいない早朝の凛とした空気の中、厳かな雰囲気を感じながらバイクを止めて散策してみよう。空海が眠る奥の院への参道沿いには歴史上の著名な人物のお墓なども多くあり、興味深い。 また、ちょっと勇気がいるが、日没後の奥の院参拝もスリリング。個人でも行けるが、お坊さんが案内してくれる夜の高野山ツアーもあり(有料)、外国人観光客にも人気。宿坊に泊まってみるのもオススメ。 ツーリングマップル➡関西 P.17 I-4

高野山奥の院・一の橋の入口。ここからだと奥の院まで徒歩で片道20分くらい。無料駐車場のある中の橋から歩くのが一般的。片道15分

奥の院への参道。両脇にはずらりと立派なお墓が並ぶ

夜の奥の院参道。思っていたよりは怖くないし、ツアー以外の参拝者もチラホラ

宿坊・恵光院の護摩焚き。山内50ヶ所以上の寺院が宿坊として開放されている。朝の勤行や阿字観体験などもできる

高野山から旧龍神村を結ぶ高野龍神スカイライン。紀伊半島の山並みが美しい

2.鳥取砂丘


夏の真昼間は暑くて砂丘の中心「馬の背」まで歩いていくのは辛いが、朝や夕方なら砂の温度も下がって裸足でもOK。また、前日の夜~朝にかけて風が強いと、早朝の砂丘表面に「風紋」ができていることも多いので、早起きして誰かが歩いてしまう前に行くべし。晴れていれば朝日が斜めに差し込んで光と影の陰影がくっきりした映える写真も撮れる。また、朝はラクダの出勤風景も見られて楽しい。夕方は日本海に沈む夕日が美しい。また、鳥取市は温泉地でもあるので、温泉銭湯へもぜひ。スーパーで売っている「豆腐ちくわ」も必食! ツーリングマップル➡関西 P.72 D-5/中国・四国 P.4 F-4

鳥取砂丘のメイン・馬の背から見る日本海。砂丘まで昇らなければ見られない。運が良ければ早朝に「風紋」も見られるのですが、写っているのは残念ながら風紋ではないのです...

朝8時ころ。「らくだ屋」から横断道路を渡ってラクダたちがご出勤

砂丘向いにある大型土産物店「砂丘会館」オリジナルの「砂たまご」。美味しい。何か購入すればバイクも無料で駐車させてもらえるのでぜひにー

「砂の美術館」も必見。毎年様々なテーマで造られた芸術作品が展示されている。海外からのアーティストも参加

鳥取といえば、市民のソウルフード「とうふちくわ」も忘れずに。ふわふわの食感がクセになる。コンビニにはなくてスーパーでしか売っていない(真空パックのものはみやげ店でも買える)

3.伊勢神宮


昔も今も、日本人なら一生に一度は行きたい伊勢神宮。江戸時代にはお伊勢参りが庶民の間で大ブームだった。道中の行程を楽しみ、参拝後は観光名所などにも立ち寄ったというから、旅としての要素も大きかったようだ。伊勢神宮は外宮と内宮の2ヶ所があり、2社の距離は5kmほどで外宮を先に参拝するのが正式。 内宮の門前町「おはらい町」とその中ほどにある「おかげ横丁」にはたくさんの土産物屋や食事処が並び、江戸時代の雰囲気を伝える一画もある。いつも観光客で賑わっているが、早朝や夕方は人も少なく、バイクで走っても迷惑にならない。早朝や日没後の参詣もオススメ。 ツーリングマップル➡関西 P.29 F-4/中部北陸 P.6 F-4

朝8時ころの「おはらい町」。お店も閉まっているけれど観光客もほとんどいない

「おはらい町」の途中にある「おかげ横丁」の入口にて。バイクがらみの撮影もしやすい

伊勢神宮内宮。駐車場から15分くらい歩くが、参拝するのなら早朝がおすすめ

「おはらい町」にある赤福本店の「赤福氷」(夏季限定)で一服。抹茶蜜がかかった氷の中に特製の餡と餅が入っている

名物の伊勢うどんもぜひ。たまり醤油ベースの濃厚なタレに柔らかくゆでた太い麺を付けて食べる

4.奈良公園


奈良公園の鹿は神の使いとして国の天然記念物にも指定されているため、手厚く保護され、現在1200頭ほど生息している。すべて野生だが、人間にも慣れていてあちこちでくつろぐ様子が見られる。県庁所在地に、大型の野生動物がこんなにウロウロしているところは、世界でも奈良しかない。 そんな鹿たちの様子を見るのなら、観光客が少ない早朝がベスト。奈良盆地の暑さは半端ないので昼間は鹿さんもお休みがちなのだ。ちなみに、早朝に鹿を撮影してSNSにUPすることを「鹿活」と呼び、密かにブームになっているらしい。私も毎年奈良に泊まり、「鹿活」している。 ツーリングマップル➡関西 P.97 下図

奈良公園・飛火野あたりに鹿が多く集まっている。芝生がきれいで座りたくなるが、鹿の糞がいっぱいなので注意!

奈良奥山ドライブウエイ・若草山の頂上でも鹿さんたちがまったり。市内から歩いて行くこともできる

猿沢の池あたりにも鹿がウロウロ。人間をまったく怖れないし、地元の人も鹿を大事にしている

白毫町にて。普通に鹿が闊歩していて不思議な感じ

奈良公園内の土産物店。「こんにちわー、何か食べ物くださいな」とでも言っているよう

5.淡路サンセットライン


淡路島の西海岸沿い、南あわじ市の慶野松原から淡路市の松帆の浦まで続く県道31号線は、瀬戸内海に沈む夕日を見ながら走れる人気ルート。「日本の夕日百選」の北淡室津ビーチや慶野松原、サンセットパーク五色夕日丘公園など夕日の鑑賞スポットもあちこちにあるほか、「幸せのパンケーキ」ほか、洒落たカフェやリゾート施設もできていて注目のエリア。夏の夜は海辺に行けば青く儚く光る「海ほたる」(本物!)も見られる。明石海峡大橋や明石・神戸の夜景も素晴らしい。125㏄以下のバイクならジェノバラインに乗ってプチクルーズも楽しめる。 ツーリングマップル➡関西 P.24・P.34/中国四国 P.38・P.49

淡路サンセットラインから見る日没風景。晴れた日には瀬戸内海を茜色に染める

北淡付近。サンセットライン沿いには海の展望スポットが点在

明石海峡大橋と明石市街の夜景。125㏄未満の小型バイクならジェノバラインの船に乗せられるので、橋の下を通るプチナイトクルーズも楽しめる

大人気の「幸せのパンケーキ」。淡路サンセットライン沿いにはお洒落スポットが点在

淡路島南部では、ところどころで玉ねぎ干し風景が見られる