2023.09.30

Vストローム250で行く!「焚き火night & キャンプinならは2023」&「賀曽利とめぐる阿武隈ツーリング」の3日間

怒涛の旅「SSTR2023」から1週間がたった6月の第一週目。1000km近い走行の余韻がかすかに残る中、福島県楢葉町にある「天神岬スポーツ公園キャンプ場」でのイベント「焚き火night & キャンプinならは2023」に参加してきました。今回もアフターSSTRと同じ3人で。賀曽利さん、舛木さんとは現地で合流。イベント翌日からは、賀曽利さんに今年交通規制が解除された阿武隈山地の道を案内してもらう予定。ところが実りある週末ツーリングは、スタートから波乱の幕開けとなったのでした…。

著・フィネス

【MAP】


巡ったエリアはこちら

【大荒れの天候、楢葉が遠い...】


大型の台風2号が前週のSSTRに影響せず、ほっとしていたのだが、これがのんびりとした進み具合で、今度は「楢葉のキャンプイベントに影響するのでは?」という状況になってしまう。果たして、直撃は無かったものの、その影響で開催日前日の金曜から関東各地で大雨の被害。当初は、土曜日早朝からいろいろと巡って行く予定だったのを、なんとか夕方からの「賀曽利さんトークショー」に間に合う時間までに直行することに変更した。 しかし、昼近くになっても圏央道、常磐道の通行止めが解除されない。ひとまず出発はしたものの、ルートは状況にあわせて選ぶしか選択肢は無かった。 圏央道の通行止めは、家を出てすぐに解除されたが、その先の常磐道の規制がなかなか解除されない。最悪、東北道から北関東道経由で、と思ったが、菖蒲PAを過ぎるあたりでやっと規制解除となった。その後は順調に進み、トークショーには間に合わなかったが、何とか日暮れまでには現地に到着できた。 現地で話しを聞いてみると、しばらく関東南部のナンバーのバイクがほとんどいなかったとのこと。車での参加者も大雨と迂回でけっこう大変だったそうだ。 会場ではすでに、いつもの焚き火場に炎が上がっている。気がつけば夜空に月も昇っていた。到着までの苦労はひとまず忘れ、焚き火を見ながら楽しく過ごして、結局今年も暖かい火の横で就寝した。

焚き火を囲み談笑をする参加者、見上げれば月がぽっかりと

テントは設営したけれど、結局、焚き火の横で就寝。ほんと、これが最高なんですよ

【夏のような暑い日、阿武隈の山へ】


顔がジリジリと焼ける感覚と、「中村さん出発時間ですよ」の声で起床した。朝5時半。寝ぼけまなこであわててテントを撤収する。慌ただしく、賀曽利さん、舛木さんと、みんなに見送られながらキャンプ場を出発した。てっきり自分は逆に参加者のみんなを見送ってから、のんびり出発かなと思っていたのですが…。 最初に楢葉町のJR竜田駅、大楽院を巡って、富岡のコンビニで朝食の時間。天気が良すぎて、日差しが厳しい。建物の影に逃げ込む。 今日の大まかなルートは、今年規制が解除されたばかりの道を通って、阿武隈の山道を楽しもうというもの。最初に向かったのは浪江町から福島市への国道114号。途中、ならはでのキャンプイベント主催者の1人、渡辺さんの母校の「福島県立双葉高等学校」に立ち寄った。学校は東日本大震災から休校が続いている。窓に残る震災前に貼られた掲示の紙が印象的だった。 学校を後にして、浪江町の中心部へ。ここから国道114号で福島市を目指す。以前は浪江IC西側から二輪車のみ通行規制だったが、復興拠点の避難指示解除によって、今年の4月から二輪車も通行できるようになった。とは言っても、脇道はすべて進入禁止。ただただ通過するしかないところは残念ではある。 山を越えると、帰還困難区域だった「津島」へ。南北に走る国道349号、二本松市への国道459号が交差する場所で、規制のため二輪車での訪問ができなかったエリアだ。そのまま国道114号を進み福島市へ向かう。「水境」という非常に興味惹かれる場所で賀曽利さんの峠の話しなどを聞いた後、東へ。 道の駅川俣で休憩、そして福島市で国道4号との交差点を左折して、今度は南へ下る。続いて二本松市で国道459号へ入り、先ほどの津島地区を目指す。

快晴の天神岬、元気な太陽に起こされた朝でした

キャンプ場から県道391号を北へ。途中、福島第2原発が見える海岸に立ち寄る

福島県立双葉高等学校。建物は健在だが休校が続く

規制解除された国道114号で津島地区に到着

【「名目津温泉」で2000湯目達成!】


と、ここで今日のもうひとつの目的を達成するために、国道を離れてとある場所へ。 到着したのは「名目津(なめつ)温泉」。実は賀曽利さんが「温泉2000湯入浴」まで残り1湯だったので、今日ここで達成とすることにしたのだ。(ギネス登録された1年で約3000湯を巡ったのとは別の、賀曽利さんのライフワーク) 渓谷沿いのこぢんまりとした日帰り湯だが、日曜ということもあってなかなかの混み具合。早速入浴してみると、思った以上に良い湯だ。鉱泉なので沸かしているのだが、できれば加温する前の湯で源泉浴をしてみたいと思ったほど。 身も心もさっぱりとして再出発。ほどなくして、先ほど通った津島地区へ到着した。今度は国道399号で北へ。いちづく坂峠を越えると長泥地区で、ここは原発事故後に高い放射線量が測定されたと、たびたび報道されてきた。今年12年ぶりに避難指示が解除されて、道路の通行もできるようになった。 国道399号と県道62号の交差点のすぐそばには、長泥コミュニティセンターができていた。広場には小さな展望台があり、そこから地区を見わたした。

ここ名目津温泉で2000湯達成!!

いちづく坂峠で峠を語る賀曽利さん

長泥コミュニティセンターから長泥地区を見渡す

つづら折れの道を登った先の陽の出石峠で来た道を振りかえる

【亘理町で1日目終了、大熊町で宿泊】


長泥地区から国道399号で陽の出石峠を越えて飯舘村へ。南相馬市の道の駅で昼食をとろうと、閉店に間に合うかどうかドキドキしながら県道12号を走る。ただ、事前の確認不足だったのだが、じつは飯館村の「道の駅までい館」に食堂がオープンしていたことを後で知った。こちらに行けばよかったかもしれない。 さておき、「道の駅南相馬」に着いた。「開いてますように…」と祈るおなかペコペコの賀曽利さん。すぐに食堂へ向かう。結果何とか、閉店ギリギリ5分前に入店できた。 昼食後は海岸に出て、県道260号、県道74号、そして大洲松川浦ラインを走って新地町の釣師防災緑地公園へ。ここでは復興フラッグが青空にはためいていた。この後、亘理町に入ったところで今日のツーリングに一区切り。国道6号で宿泊地の大熊町へ戻った。

賀曽利さん、今年初の冷やし中華。シーズン到来に満面の笑み!

ご当地グルメ、なみえ焼きそばもメニューに

南相馬の海岸にはメガソーラー発電所が。見渡す限り広がるソーラーパネルが輝いていた

釣師防災緑地公園の復興フラッグ広場に掲揚されている復興フラッグ

【閖上にゴール、1日半のツーリング終了】


この日の宿泊先はほっと大熊。2021年オープンの、入浴と宿泊ができる施設で、風呂も部屋も実に快適だった。 2日目は常磐道で亘理町まで走って昨日の続きからのスタート。津波の被害から復興した阿武隈川河口の荒浜地区から海沿いに走って、こちらも大きな被害を受けた閖上(ゆりあげ)地区へ。そして、復興中の閖上地区を見渡せる日和山が今回のツーリングのゴールとなった。この後、別の取材でさらに青森まで走るという賀曽利さんを見送って、舛木氏ともここで解散した。 私は疲労困憊で、阿武隈川沿いに福島まで走って、高速で一気に関東へ。まだまだ元気いっぱいの舛木さんは一度バイクで走ってみたかったという磐梯吾妻スカイライン経由で帰宅となった。

ほっと大熊は入浴だけの利用も可能、大熊町交流ゾーン内にあり

荒浜では太平洋に流れ出る阿武隈川を見る

震災で一度は姿を消した日和山だったが日本一低い山として復活した。山頂には閖上湊神社が建立されている

日和山前で記念撮影、楢葉キャンプからの3日間、お疲れさまでした

そして賀曽利さんは次の取材へ、ご安全に!

【後書き】


悪天候のスタートでどうなるかと思った3日間でしたが、キャンプも、賀曽利さんとのツーリングも、晴天に恵まれて楽しい3日間だった。 今回走ったルートは、取材やプライペートで過去に何度かツーリングで訪れたことがあったエリアだったので、昔のことを懐かしく思い出しながら、ああまた走ることができるようになったと、うれしさを感じた。 ただ、心残りは宮城からの帰路かな。SSTRでの疲れが思うより残っていて、舛木さんともう少しランデブーを楽しみたかったのだけど…大事をとって断念。 次は国道399号で阿武隈山地縦断を楽しみたいなあ。