2023.11.13

【道の終わりまでGO!】終点でステキなことが待っているスポット~中部北陸編~ 

旅先で見つけた新しい道。地図で見ると行き止まりだけれど、終点には何があるのだろう、と興味をひかれることはありませんか。ここではそんなスポットを5つ選んでご紹介。第6回は中部北陸編をお届けします。

著・内田一成

オススメはココ!


1.鏡池【長野県】 2.石徹白(いとしろ)の大杉【岐阜県】 3.美ヶ原【長野県】 4.常神半島【福井県】 5.伊良湖岬【愛知県】

1.鏡池【長野県】


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修験道の聖地として知られる戸隠は、その独特の険しい懸崖を連ねる戸隠山の自然力ともいえるものを精神性に反映することを主題としている。その戸隠山を映し鏡のように水面に描く鏡池も聖地として崇められてきた。長い参道が続く奥社への道も一般の観光で訪れる終点だが、合わせてその手前の道を行く鏡池も訪ねてみたい。四季折々の表情を見せて、いつでも感動を味わえるが、とくにこれからは紅葉が息を飲むほど素晴らしい。 ツーリングマップル➡中部北陸 P.93 I-3/関東甲信越 P.68 I-3

戸隠山を映す鏡池

戸隠修験の中心、戸隠奥社。当時の日の出の光が奥社の深奥まで達する

2.石徹白(いとしろ)の大杉【岐阜県】


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岐阜県の石徹白(いとしろ)地区は、奈良時代に泰澄によって開かれた白山信仰の美濃側の起点にあたり、そこにある大杉は、泰澄が携えていた杖を突いてそのまま育ったものとの伝説もあり、古くから信仰の一つの象徴とされてきた。かつては、日本最古の巨木とされ、その地位は屋久杉に譲ったが、堂々として精霊が宿るような雰囲気は屋久杉に負けることはない。岐阜と福井の県境に近い深山を分け入っていく道は、まさに古い信仰の生の雰囲気を感じさせてくれる。 ツーリングマップル➡中部北陸 P.69 G-3/関西 P.87 G-3

堂々とした風格に神秘性も漂わせる石徹白大杉

大杉へと向かう手前にある白山中居神社。白山禅定道の起点

3.美ヶ原【長野県】


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ビーナスラインといえば、言わずと知れたツーリングライダーのメッカだが、全線を走り切ると、けっこう走りごたえがある。白樺湖から車山、霧ヶ峰と巡り、最後につづら折れのヘアピンカーブで一気に高度を上げると、2000mにもうすぐ手が届く美ヶ原高原に飛び出す。高原美術館と並ぶレストハウスからは、北アルプスの雄姿が一望できる。また、この高度にありながら湧き出す水は、真夏でも手が千切れそうなほど冷たく、疲れを拭い去ってくれる(※美ヶ原高原水の水くみ場は数年前に撤去されたとの情報を頂きました)。 ツーリングマップル➡中部北陸 P.110 E-1/関東甲信越 P.122 E-1

ビーナスラインといえば、この風景。霧ヶ峰付近

美ヶ原から雪をいただく北アルプスの連峰を遠望

隠れた名水「美ヶ原高原水」(※こちらは撤去されたとの情報を頂いております)

4.常神半島【福井県】


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若狭は神秘的な神話に彩られた土地。創世神の若狭彦・若狭姫は海からやってきて、若い姿のまま変わらなかったとされる。奈良東大寺のお水取り神事に供えられる「若水」もまた若狭から送られ、「お水送り」神事が3月に行われる。良弁や空海といった僧も若狭と深い関わりがある。そんな若狭の核心部ともいえるのが、「常に神が宿る」という意味を持つ常神半島だ。かつてはタイトコーナーが連続する狭路だったが、今は快適な道になった。そして、半島突端では、目の覚めるような透明の海が待ち受けている。 ツーリングマップル➡中部北陸 P.47 D-2/関西 P.77 D-2

常神半島突端の常神港。若狭湾に反射する光が眩しい

常神半島の手前から、道を北へ辿るとレインボーライン。頂上から三方五湖を見渡す

5.伊良湖岬【愛知県】


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島崎藤村が柳田国男に聞いた話をもとに作詞した「椰子の実」。その舞台が渥美半島の突端の伊良湖岬。黒潮が流れる海に細長く突き出した半島は、先端に行くほど南国的な風景になってきて、浜に出たら椰子の実を探したくなる。厳密には、突端から先は国道フェリーが続き、伊勢にまで渡ることができるので、いちばん端ともいえないが、走れる道としてはここが果てとなるのでまあいいかと。ここの名物は大アサリ。潮の香りと醤油の香ばしさがなんともいえない美味で、その名の通りボリューム満点。 ツーリングマップル➡中部北陸 P.11 C-7/関西 P.39 C-7

伊良湖岬の上から渥美半島の海岸を望む

伊勢湾フェリーに乗れば、伊勢志摩はすぐ