2023.12.11

【旅は成り行き、風まかせ!?】~Vストロームミーティング&静岡西部の魅力を深掘りワンデイツーリング

今年で9回目を迎えたVストロームミーティング。なんと、我々ツーリングマップルチームにぜひステージ上でトークショーをとのお声がけが。カソリさんはもちろんですが、編集長のマスキさんから「中村さんもどう?」とお呼ばれしてイベントに参加してきました。 せっかくの機会なのでVストローム250SX&Vストローム800をお借りしてイベント翌日には恒例(?)の3人でのワンデイツーリングも楽しんだ2日間の様子をお届けします。

著・中村聡一郎(フィネス)

【箱根八里を越えて浜松へ】


明日のVストロームミーティングに向けて、いざ浜松市へ。今回の旅の相棒は、Vストローム250SX。個人的にもヒジョーに興味津々だった車両なので、ワクワクで出発です。 天下の嶮、箱根を越えて三島市へランディング。沼津ICから東名高速で、ビューンと西へ。想像以上に250SXでの高速道路走行が快適だったので、そのまま本州最西端まで行ってしまうか、とも思ったのですが、そこは自制して、予定していた磐田ICで高速を降りました。 何故、磐田市? その訳は今年話題になっていたスズキラーメンへ行くため。今年、何度も静岡へ来ていたのですが、なかなか寄るタイミングに恵まれず、やっと食べることができました。 食後はすぐ近くにあるヤマハ発動機のコミュニケーションプラザへ。自分がバイクの免許を取得した頃の懐かしいモデルから、気になる最新モデルまでズラリと展示された車両を見学した後は、見付天神へ。『ゆるキャン△』にも登場していたという、しっぺいみくじにキュンキュンしてしまって、思わず授かったのですが、 何と「大吉」! この後は福田海岸(ふくでかいがん)に立ち寄ってから、天竜川を渡って浜松市に到着。別行動だったカソリさん、マスキさんとホテルで合流した。カソリさんは今日は明日のイベントに一緒に登壇するノア・セレンさんと峠巡りを楽しんできたそうで、よくよく話を聞くと自分が箱根を越えていたころ、足柄峠を走っていたそう。ルート選択によっては偶然の出会いとなっていたのか、残念。

西湘PAの屋上から行く先の空を見れば、厚く雲が...

道の駅 箱根峠で軽ーい朝食。箱根の山には団子がよく似合ふ

由比PAでひと休み。青空が見えてきたが富士山は雲の中

ヤマハ発動機本社のすぐそばなのにスズキで話題のスズキラーメンで昼食。濃厚系の醤油ラーメンでうまかったです!

鳥居と並んで悉平太郎(しっぺいたろう)のりりしい像が建つ見付天神

【キンチョーのイベント当日】


さぁ、イベント当日。我々ツーリングマップルチームは午後のステージでトークショーを行ないますが、普段は参加しているほうなので、結構な緊張感。しかも、予想はしていたけれど、結構な参加者の数になりそうな雰囲気で、果たしてなにかやらかさないかとドキドキ。 いよいよ、開場。どんどん全国から到着するVストロームオーナーで、広い駐車場があっという間に埋まっていきます。最初のステージはご挨拶のみ、ここはなんかとか無難にこなすことができた、はず。 ブースをまわったり、知人と歓談したりしていると、いよいよステージ登壇の時間。あまりの緊張で手の平に人の字を書いて...を忘れてしまいましたが、平常心を保ちながらなんとかお役目を果たすことはできた、と思います。けれども、ほとんどカソリさん、マスキさんに話をしてもらって、ただ座っていただけでは、との声も... イベントはじゃんけん大会から記念撮影で無事終了。スズキ株式会社の鈴木社長と社員の方々にカソリさん、マスキさんも加わって帰宅の途につく参加者を見送りました。そして、我々3人も会場を後にしました。 さて、夜は打ち上げ(反省会?)となり、会場で出会ったTさんが紹介してくれた浜松駅近くの稲作へ。ここで、おでんやカツオの刺身などなど美味しい料理にすっかりノックアウトされて、浜松最高、となった我々は月曜のツーリングを当初の国道152号北上から、浜松周辺探訪へと手の平返しすることとなりました。

展示されたVストロームを前に気合い充分のカソリさん、「やるぞー!」

最終的に1000台近い来場があったとのこと、駐車場にはずらりとVストロームシリーズのバイクが

ステージでは今年のSSTRの帰路、能登半島→伊良湖岬のyoutube紹介をメインにわきあいあいと(画像提供:スズキ二輪)

来場者の皆さんと記念撮影で第9回Vストロームミーティングも無事終了。天気も何とか持ちました(画像提供:スズキ二輪)

帰路につく来場者を見送る

【明けて月曜はワンデイツーリング】


走ったルート

【スタートはカソリさん思い出の地、中田島砂丘】


昨晩の宴の余韻を感じながら、ワンデイツーリングスタート。 会場で会ったTさん、Kさんとも今日一緒に走ることになったので、待ち合わせ場所の中田島砂丘へ向かいます。ここはカソリさんの思い出の地。海外ツーリング出発前に、スズキ本社でオートバイの整備を学んだのだが、その時にここにテントを張って泊まっていた。 だが、ここで大変な勘違い。場所を天竜川を渡ったその先だとすっかり思い込んでいて、危うく全然違う場所に行きかけてしまいました。国道150号へ入るところで気づいて、方向修正、少し遅刻したが無事中田島砂丘へ到着できました。 駐車場で2人と合流して、砂丘へ。巨大な砂の壁を登るとそこには太平洋の大海原。かつて、世界へ旅立つ前のカソリさんがここで何を思っていたのか、そんなことを思い巡らすと胸がジンジンしてきますね。 中田島砂丘を後にして次は浜松城へ。徳川家康を始め、歴代の城主の多くが江戸幕府の要職についたため、「出世城」とも呼ばれている城で、我々もぜひそれにあやかりたいところ。古い野面積みの石垣に再建された天守閣の中は資料館。地下には発掘調査で見つかった井戸も保存されている。3階からはぐるっと360度の展望、昨日のVストロームミーティングの会場だったスズキ本社も見えました。 浜松城のすぐ近くにある東照宮へも参拝。ここには二公像(家康公・秀吉公)があり、その間に立って写真を撮ると出世運が上昇するとか。実際に撮影しましたが、さて、どうでしょうか。

壁のような中田島砂丘。砂に足を取られながら太平洋の海岸へ

Tさん、Kさんと太平洋をバックに「今日も走るぜ~!」

さぁ、こちらが浜松城の天守閣、これから見学ですよ

浜松城公園から歩いてすぐの場所にある東照宮にも参拝

これでマスキさんの出世も間違いなし!!、殿、どこまでもお供いたしまする

【浜松➡磐田➡浜松】


そろそろ、昼食の時間となって、カソリさんから 「スズキラーメンへぜひ行ってみたい!」 と提案があったので、向かうことにしたのですが、Tさんが「休みかどうか調べて...」と進言したところ、「調べなくていいよ、行って休みならそれはそれで旅の面白さ!」とカソリさんのありがたいお言葉。 天竜川を渡って、ドキドキソワソワしながら店へ到着。結果、休みでした...。結局、昼食は次の目的地へ向かう途中に見つけた五味八珍で浜松名物の餃子に舌つづみ。 この後、大歳神社へ向かう予定でしたが、旅は成り行き、その前に近くにあるというので、遠江国分寺跡へ寄り道。あいにく、整備工事中でしたが、磐田市の歴史を知る良い機会になりました。そして、ここで新潟へ帰るKさんとお別れとなりました。

残念、スズキラーメンは休業日でした!でもこれが旅の醍醐味!?

浜松と言えば餃子、餃子と言えば浜松、五味八珍にて

建物の基礎などが残る遠江国分寺跡では再整備工事が進行中

ここには七重塔が建っていた。今は礎石が残っている

Kさんとここでお別れ、ツーリングマップルチームの当初の予定だった国道152号北上ルートで新潟まで帰るとのこと、ご安全に!

【浜松➡天竜川河口】


再び天竜川を渡って浜松市へ戻って向かったのは、バイク神社として多くのライダーが参拝に訪れるという大歳神社。ここでカソリさんから、 「2年前の事故の時に九死に一生を得たのは、ここの道楽守り(どうらくまもり)のおかげだと思うのですよ」 とのお話しを聞く。バイクの町、浜松市だけれども、意外とライダーが休める場所が少ない、との思いから、ツーリングオアシスとしてライダーの休憩場所としても提供している神社で、境内の一角にはカフェやスイーツなどがあるみやの杜横丁(毎月1日、金曜~日曜、祝日営業)もあります。 参拝を終えて、この後のルートを4人で相談。結果、まずは天竜川の河口へ。そして、ゴールは太平洋岸を走り、御前崎と決まった。 大歳神社を後にして天竜川沿いに南へ。国道150号の掛塚橋を渡り、堤防の上を走る。飛ばされそうな強風で、ぐわんぐわんと廻る巨大な風車とともに海が見えてきた。川原に降りて行き止まりまで走ってバイクを停める。太平洋へ繋がる天竜川の河口をしばらく眺めた。

大歳神社へ到着。広くて停めやすい二輪車専用の駐車場がうれしい

バイクのフレームを利用した道楽守りの返納所

巨大な風車が立ち並ぶ天竜川の河口に到着

遠く長野の諏訪湖から流れてきた天竜川はここで太平洋へ流れ出す

【天竜川河口➡浜岡砂丘➡御前崎】


さぁ、ゴールの御前崎へ、とその前にカソリさんから、途中に大きな砂丘があったはず、そこへ寄ってみようと言われたので、立ち寄ってみることにしました。確かに、ツーリングマップルを開くと、それらしきコメントがあるので、きっとここだろうと、そこにたどり着いたが、砂丘が見当たりません。全員でどこだ、どこだと緊急会議。ツーリングマップルのコメントが古い情報(2024年度版ではしっかり更新します...)ということまでは解りましたが、肝心な砂丘の手がかりが無い。とにかく、それらしき場所に寄りながら、御前崎へ向かうことになりました。 一箇所は違っていて、次も違うならあきらめようと寄った浜岡海岸。 ここに正解がありました。 目指していたのは浜岡砂丘でした。自分も今ごろになって記憶を思い出しました。そろそろ日没も間近の海岸で強風に吹かれながら、砂丘と大海原の絶景を満喫した。 さぁ、御前崎はもう目の前。しかし、折からの強風で海岸沿いの県道357号に越波注意の表示が出ている。叩いた石橋でも渡れないほどの小心者の自分だけに、高波をかぶって...と考えると別ルートで行こうといったん決めた。しかし、広がる太平洋の大海原が、旅のフィナーレにふさわしいし、何よりマスキさんも動画の撮れ高的にこの道の走行シーンが欲しいはず。波をかぶったらかぶったで、海に落ちたら、その時はその時と、一か八かで走ってみました。 結果、路面が波をかぶって濡れている区間は僅かで通行は問題無し。そして、日没前に御前崎に到着できました。

砂丘はどこだ?カソリさんも珍しくツーリングマップルを取り出しての緊急会議

そしてたどり着いた浜岡砂丘。「さ~、もうひと走り!」御前崎へ向かって雄叫びをあげるカソリさん

広がる浜岡砂丘。向こうに見えるのは浜岡原発。その先に今日のゴールの御前崎が

県道357号(御前崎サンロード)を走る。御前埼灯台が見えてきた、御前崎も近い

駐車場から「静岡県最南端の岬」と書かれた標柱のところへ。そう、太平洋に面したここ御前崎は静岡県の最南端。これ、以外と知られていないですかね。 打ちよせる波が堤防にぶつかって、激しく飛沫が飛んでいた。タイミング良く、水平線へ夕日がもう少しで沈む頃で、その美しい光景を見ながら今日一日のツーリングを思い出していた。やがて、御前埼灯台に明りがともる頃、ここで今日のツーリングは終了、お開きとなった。

伊豆半島先端の石廊崎が静岡県の最南端とイメージされるが実は御前崎が最南端

夕日をバックに「無事ゴール!万歳!」

沈む夕陽に思いをはせるカソリさん、しかしこの後ハプニングが...

太平洋の荒波をかぶって、水もしたたる...となってしまった...

水平線に太陽が沈んだ後、解散、お疲れさまでした

【3日間を振りかえって】


Vストロームミーティングとワンデイツーリング。充実した3日間でした。 今回のVストロームミーティング2023は、例年に比べてもかなり多くの方が来場していた印象をイベント中から受けていましたが、スズキ二輪さんからお聞きした最終結果は、来場した車両1257台!入場者1473人!と、驚きの数字。多くの参加者で大変に盛り上がりました。ツーリングマップルチームのトークショーも楽しんでいただけたと自負しています。 そして、翌日のツーリングは、国道152号で上田市まで行く予定でしたが、成り行き(カソリさんの手の平返し?)で急遽目的地を変更。ルートも当日話し合いながらとなったが、逆にそのおかげで充実した内容になったのでは。そして、二公像や遠江国分寺跡など、初めて知ることもあって、じつに有意義な一日でした。 ただ、今回Vストローム250SXに実際に乗る機会に恵まれたのですが、もっと長距離を走って見たかったですね。ぜひ機会をつくってこの車両の魅力をもっと知ってみたいと感じました。 最後にツーリングイベント「Vストローム旅するフラッグ」は今年のゴールで終了で、新しく「Vストロームロケーションマップ」がスタートするとのこと。まだ詳細は発表されていませんが、どんな企画になるか楽しみですね。