2024.08.02

【ツーリングマップル取材担当が選ぶ】ご当地みやげ5選~中部北陸編~

ツーリングで遠方に行くと、おみやげを買いたくなりますよね! でもいざ、道の駅やSAPA、直売所などに行くと、品物が多すぎて迷っちゃうこともしばしばです。各地の特産品や、ソウルフード、ローカルスーパーの人気商品などを、毎年見ているツーリングマップルの取材担当者が、超個人的な好みで選ぶ、 「ここに行ったらこれを買う!」 「これが私の大定番!」 そんなご当地みやげをご紹介。第四回は、中部北陸担当の内田さんです!

著・内田一成

▶中部北陸のご当地みやげ5選◀


1.八百津の栗きんとん(岐阜県) 2.いろは堂のおやき(長野県) 3.野沢製菓の大あんまき(静岡県) 4.白山山麓の栃餅(石川県) 5.豊川稲荷の門前稲荷(愛知県)

1.八百津の栗きんとん(岐阜県)


栗きんとんというと、正月のおせち料理に入っている黄色いべっとりした代物を思い浮かべるかもしれないが、本来は秋に栗の実が成ったときに、それを蒸して裏ごししてかためたシンプルな秋の味。とても上品な甘さで、栗の香りが秋の深まりを感じさせてくれる。 こうした古くからの山里の味としての栗きんとんは、木曽路の中津川や恵那が有名だけれど、その発祥の地は、街道からもう少し山間に入った八百津だと言われている。八百津の街には、和菓子屋が並び、秋には栗を蒸す香ばしい香りに街が包まれる。それぞれの和菓子屋で風味が微妙に違うので、味比べをしてみてもいいかもしれない。また、最近では、カフェを併設する店もあって、贅沢に栗を使ったモンブランも人気を集めている。

秋の味覚としてみやげにも大好評の八百津の栗きんとん

たぶん、この栗きんとんほど緑茶にマッチする和菓子はないと思う

2.いろは堂のおやき(長野県)


信州のローカルフードというと、真っ先に思い浮かぶのは信州そば。次に、野沢菜だろうか。ただ、信州人にとっては、案外筆頭に出てくるのはおやきかもしれない。かつては、農作業や山仕事の昼食代わりによく食べられたという。餡は野沢菜とつぶあんが定番だが、最近はさまざまな具材が入っていて、美味しい「主食」としていただける。 おやきで有名なのは、鬼無里村の「いろは堂」(ツーリングマップル中部北陸 P.93 G-5/ツーリングマップル関東甲信越 P.68 G-5)。かつては、山深い村の片隅の小さな店だったが、今は長野県各地に支店を出すほどになった。本店は、昔ながらの囲炉裏を囲んだ席でのんびりいただける。信州の友人を訪ねるときに、いろは堂のおやきをみつくろってお土産にすると、大喜びされる。

いろは堂本店の囲炉裏端でいただくおやきは、まさに「信州の味」

最近は、いろいろな餡のおやきがあって楽しめる

3.野沢製菓の大あんまき(静岡県)


浜松市の北、引佐の山奥にある方広寺(ツーリングマップル中部北陸 P.20 I-6/ツーリングマップル関東甲信越 P.4 I-6)は、南北朝時代の元中3年(1386年)に創建された臨済宗の名刹。「半僧坊」とは、寺の守護神とされる半僧坊大権現のことで、火災や盗難、疫病などからの守護を願う人々に篤く信仰され、多くの人が参拝に訪れる。正式名称は「福聚山方広寺」で、広大な山間の敷地に広がる庭園でも有名。 その参道門前にある野沢製菓の大あんまきも名物になっている。ふっくらとして香ばしい香りの小麦粉の生地にたっぷり餡がつまったまさに大ボリュームの和菓子。とても一人では食べきれない。かつて、長い山道を延々と登って参詣に訪れた人たちが、門前で疲れを癒やすのに分け合って名産のお茶とともにいただいた光景が思い浮かぶ。初めて見たらちょっとびっくりな巨大どら焼き風で、参拝土産におすすめだ。

パッケージはよくある門前饅頭風だが...

大胆な一本丸ごと仕様

餡がたっぷり。甘い食べ物が苦手な人にはちょっとした拷問になりそうだ

4.白山山麓の栃餅(石川県)


昔は、信州や飛騨の山間地のローカルフードとしてポピュラーだったという栃餅。栃の実はあくが強いため、それを抜くために、乾燥させてから数日間水に浸し、それを柔らかく煮てからペースト状にして餅米に練り込むという手間がかかり、作る人も少なくなってしまった。そんな数少ない栃餅を今でも昔ながらの手間をかけて作っているのが、白山山麓の白山市周辺。道の駅などで販売されているので、白山山麓に通りかかったときはこの味を楽しみにしている。 単なる餡餅ではなく、栃の実独特のくるみのような香りと滑らかな油脂の舌触りが絶妙。栄養価が高く、ビタミンやミネラルが豊富で、かつては雪に閉ざされた山間での健康食として食べられていただけに、元気が湧いてくる。

祭りや特別な行事の際に、地域の人々が共同で作っていた。その素朴さがそのまま

この少し黄色がかった色合いが栃餅の特徴。おはぎとセットになっていた

5.豊川稲荷の門前稲荷(愛知県)


日本三大稲荷のひとつ豊川稲荷(ツーリングマップル中部北陸 P.20 B-7/ツーリングマップル関東甲信越 P.4 B-7)。三大稲荷の中でもいちばんの規模を誇る。境内いちばん奥の狐塚には数千のお狐さまが並び、昼でも一種異様な雰囲気を湛えている。そんな豊川稲荷の門前には、名物の「おいなりさん」の店が並ぶ。 古来、狐は稲作に害をなす鳥獣をとって食べることから、「稲生る」神とされ、それが「稲荷」と変化したとされる。門前にいちばん近いこの店では、「いなほ寿し」という名で販売されている。すし酢米を煮浸しの油揚げで包んだノーマルなもののほか、わさび菜をトッピングしたものもある。日持ちはしないからあまりお土産には適さないけれど、昼食用としてはちょうどいいボリューム。その日のうちに食べるなら、お土産でも大丈夫だ。

豊川稲荷の門前にはこうした稲荷の店が並ぶ

この店の呼び名は「いなほ寿し」

普通のタイプの稲荷とわさび菜を載せたタイプを選んでみた