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2025.02.27
「ETC」無しじゃ乗れなくなる!?高速道路料金所の「ETC専用化」問題
全国の高速道路の料金所で「ETC専用料金所」への変更が進んでいます。 2025年2月時点ですでに120箇所以上がETC専用となっていて、この春さらに100か所以上が専用化されます。そのうえ今後「2030年度には全ての料金所をETC専用にする」という方針が、国交省と高速道路会社から発表されています。 そうなると近い将来、高速道路の利用には「ETC」の取り付けが必須となりそうです。そこで、ETC利用のメリットと車載器取り付けの際の注意点、そして「ETC専用料金所」の運用状況をまとめてみました。
将来は料金所が全てETC専用になるの?
「ETC専用料金所」は「ETC車載器」を搭載した車両しか利用できない料金所です。 2020年12月に国交省と高速道路会社が公表した「ETC専用化等のロードマップ」では、都市部は2025年度、地方部は2030年度をめどに、ほぼすべての料金所でETC専用化を完了させる計画が示されています。 その目的には、キャッシュレス化・タッチレス化の促進による管理コストの削減や、利用者利便性向上、戦略的料金体系の導入による混雑緩和などが挙げられていますが、いずれにせよ、将来的にはETCがないと高速道路の利用ができなくなるかもしれません。

ETC専用料金所にはこの表示板が設置されている。利用の際はETCカードの未挿入や期限切れに要注意(画像引用:NEXCO西日本)

現在、ETCが利用できない状態で、誤って料金所へ進入した場合への対策として「サポートレーン」が設置されている
ETC車載器で高速道路を利用するとイロイロと便利でおトク
このように今後高速道路を利用するためにはETCの設置が必須になりそうですが、オートバイのETC普及率は、4輪に比べるとまだ低いのが現状。しかし、実はETCは、ライダーにこそ恩恵のある装備とも言えるんです。料金所で停止して通行券を取ったり、料金を支払ったりする手間がなくなるので、精神的にも体力的にも負担が減りますよね。 さらに、休日割引など料金面でのメリットもあり、オートバイのみを対象にした割引やおトクなプランが実施されることもあります。

取り付けている機器が「ETC2.0車載器」なら、高速道路を一時退出して指定の道の駅を利用した場合、2時間以内に戻れば高速道路を降りずに走り続けた場合と同じ料金で利用することができます。 さらに一部の有料道路で利用が始まっているのが「ETCX」と「ETC GO」。今使っている機器をそのまま使って通行料金の支払いができます。 ※ETCXは事前登録が必要 ※使用できるETCカードには制限があります つまり、「ETCを利用すれば、高速・有料道路がお得で快適に使える!」 というわけです。
二輪車への取り付けはまだまだ大変
これだけ便利でおトクなら「ETC使おう!」と思いますよね。しかし、二輪車への車載は簡単ではないのです。 ▶ 取り付けできる店が限られる ETC車載器は「セットアップ登録店」でしか取り付けられません。日頃お世話になっているショップでしてもらえればよいのですが、登録店でない場合は別の店を探さないといけません。地域によっては遠方まで行く必要があります。 ▶ 費用が高額 店や機器によって差はありますが、「機器代+工賃」で、おおよそ3万円前後はかかります。また、車両によっては別途取付け用のステーやケースなどが必要になることもあります。 ▶ 車種によっては難しいことも シート下などに車載器を取り付けるスペースが無かったり、バッテリーを搭載していない昔の車両などは、大がかりなカスタムや追加パーツが必要で、取り付けに非常に苦労するかもしれません。
それでもETCはつけたほうが良い
というわけで、オートバイのETC装着にはハードルはあるものの、ツーリングの快適度がグッとアップすることは間違いありません。しかも、おトクに高速道路を利用できるのです。 実は私も費用の面でなかなか踏み切れなかったのですが、実際にETCで高速道路を利用してみると、 「こんなに便利だったんだ、もっと早く取り付けていれば良かった」 と実感しました。今後ETC専用料金所が増加することを考えると、もはや取り付けは必須ですね。 ただ、これだけ高速道路のETC利用が推進されているのに、前述したようにオートバイへのETC機器装着の手間や高い費用は変わっていません。これについてはぜひ改善して欲しいところですが、できるだけラクにおトクに取り付けられるようにしっかりと情報収集をするのも大事です。 例えば、高速道路会社の「助成金キャンペーン」を活用するのも手です。地域や期間限定で、ETC車載器設置にかかる費用の一部が助成されます。 また、ETCが標準装備された車両も販売されていますので、これから車両の購入を考えているのであれば、これらの車種から選ぶという手段もあるでしょう。
2025年春、ETC専用化される料金所
最後に、2025年の2月時点でのETC専用料金所の状況を地図にまとめてみました。 変更については西日本が進んでいる状況で、NEXCO西日本管内では2025年の春に32箇所もの料金所が変更されます。逆に北海道、東北地域ではETC専用料金所への変更箇所はありません。

首都圏ではツーリングでの利用が多い中央道の「上野原IC」や「都留IC」もETC専用料金所へ変更されます

NEXCO西日本管内は変更箇所が多く、中でも高松自動車道は4箇所が変更になって半数近くの料金所がETC専用になります
首都高速は2025年5月下旬からETC専用へ変更のリニューアル工事を開始予定です。予定では2025年度内に90箇所をETC専用に変更予定です。

阪神高速は2025年3月に18箇所、6月末までにさらに13箇所がETC専用料金所へ変更になります。
