
Touring
2025.04.10
2025春の関東甲信越おすすめツーリングコース【日帰り編】
もうすぐ春ですね。冬の間は乗れなかったけれど、そろそろオートバイで旅に出られるかなとソワソワ、ワクワクしていませんか?そこで、今年のツーリングシーズンスタートにおすすめの「春を感じられる」コースを、ツーリングマップル 各エリア取材担当者から紹介していただきます。 今回は関東甲信越の「2025春のおすすめルート」日帰り編です。
湘南海岸から足柄エリア、そして小山へショートトリップ
関東周辺の桜の季節はそろそろ終盤ですね。気温もだいぶ暖かくなってきて、ツーリングを楽しむライダーの姿を多く見かけるようになりました。 今回は春におすすめのツーリングコースの日帰り編ということで、神奈川県西部の足柄エリアから、静岡県の小山町までを巡るショートツーリングコースを紹介します。普段は東名高速などで通過してしまいがちな地域ですが、意外と見どころがたっぷりあるんです。

旧東海道の松並木が残る国道1号の大磯付近

新緑と桜が楽しめる春の丹沢湖
コース概要
START:新湘南バイパス「茅ヶ崎海岸IC」 ➡ツーリングマップル関東甲信越 P.18 M-5 GOAL:東名高速道路「御殿場IC」 ➡ツーリングマップル関東甲信越 P.17 L-6 茅ヶ崎海岸ICから、湘南の海岸線を西へ。二宮町からは「やまゆりライン」を経由して「足柄エリア」へ向かいます。「小田原タンタン麺」を味わったあとは、静寂に包まれた「大雄山最乗寺」を参拝。鉄道の町、山北で「D52」を見学して、丹沢湖へ。小山町では「豊門公園」と「森村橋」に立ち寄り、ゴールの御殿場ICへ。 今回は「日帰り」での紹介ですが、御殿場に宿泊して、箱根や富士五湖、朝霧高原へ足をのばすのもおすすめです。

1.茅ヶ崎から湘南海岸を西へ
新湘南バイパス「茅ヶ崎海岸IC」から、相模川を湘南大橋で渡り西へ向かいます。花水川を越えた先で西湘バイパスには進まず、側道を進むと、大磯港の「OISO CONNECT」[ツーリングマップル関東甲信越 P.18(中部北陸 P.44)K-5]があります。1階にはショップとスナックコーナー、2階のレストランにはテラス席もあり、海を眺めながら食事を楽しめます。 また、群馬県川場村の「道の駅 田園プラザ川場」が運営しているため、ショップでは群馬県川場村の「KAWABA YOGURT」や「KAWABA BEER」などの人気商品も販売されています。

大磯港にある「OISO CONNECT」。

大磯港で水揚げされた鮮魚も販売

スナックコーナーで買える「ふじ丸湘南しらすおにぎり」と「つみれ汁」

オートバイはすぐ目の前の第2駐車場へ。1時間160円
大磯を出発し、国道1号を西へ。道沿いには、かつての旧東海道を思わせる松並木が今も残っており、歴史を感じながら走ることができます。 二宮町からは、広域農道「やまゆりライン」で、走りを楽しみながら、小田原市へ進みます。峠を越えると、峠を越えると視界が一気に開け、その開放感は格別です。

二宮町から「やまゆりライン」で峠を越えた先で分岐している農道を入ると、富士山と矢倉岳が親子のように見える場所がある
2.足柄エリアで歴史、自然、グルメを楽しむ
「やまゆりライン」から、県道72号を北へ進むと、梅で有名な曽我地区に入ります。ここには、小田原市のご当地グルメ「小田原タンタン麺」の発祥の店として人気の「中華 四川」があります。

豚挽肉にザーサイやギが入ったとろみのある旨辛スープが特徴。辛さは選ぶことができる
大井町から酒匂川を渡って西へ進み、南足柄市へ。伊豆箱根鉄道の「大雄山駅」前を通過して、道を登っていくと、終点に大雄山最乗寺[ツーリングマップル関東甲信越 P.18(中部北陸 P.44)D-5]があります。 この寺院は、天狗伝説で名高い古刹であり、鬱蒼とした森に囲まれた広大な境内に、さまざまな堂塔が点在しています。境内には小川も流れ、静謐な空気が漂う中で、歴史を感じながらゆっくりと参拝できます。

最乗寺の本堂(引用:まっぷるウェブ)

最奥の「奥の院」への参道
南足柄から山北町へ。途中には「日本の滝百選」や「名水百選」に選定されている「洒水の滝(しゃすいのたき)」[ツーリングマップル関東甲信越 P.18(中部北陸 P.44)C-4]があります。

滝の観瀑台へは226段の階段を登る。なかなか険しいです

観瀑台から見る洒水の滝。三段の滝だが、見ることができるのは「一の滝」で落差は約69m
山北町を通るJR御殿場線は、かつて丹那トンネルが開通するまでは東海道本線として、東西を結ぶ重要な鉄道路線でした。その頃、山北駅には、鉄道の機関庫があり、鉄道の町として栄えていました。 その機関庫の跡地に位置するのが「山北鉄道公園」[ツーリングマップル関東甲信越 P.18(中部北陸 P.44)D-4]で、SLの「D52」が保存されています。この車両は圧縮空気の力で、12mだけですが、実際に線路上を走ることができます。ただし、運行日は不定期となっています。

山北鉄道公園に大事に保存されている「D52」
3.新緑がまぶしい春の丹沢湖へ
山北町から国道246号を西へ進むと、まわりの景観はぐっと山深くなります。小山町へ向かう前に、清水橋交差点を右折して、県道76号を丹沢湖へ。道沿いの「道の駅 山北」はリニューアル工事のため閉鎖中です。 丹沢湖は三保ダムのダム湖であり、ダムのすぐ下は園地になっています。園内には三保ダムと丹沢湖を再現したジオラマもあります。

国道246号の北側、大野山の山麓にある「山北つぶらの公園」からは、酒匂川の渓谷を通る東名高速、国道246号と富士山を一望にできる

河内川の遥か上空では新東名高速道路の橋梁工事が進行中

三保ダム下のダム広場にある「三保ダム」の模型

ダム広場にはフォトフレームも

新緑と桜が楽しめる春の丹沢湖。湖畔沿いの道は一方通行や通行止の規制があるので注意
丹沢湖からさらに上流に進むと、ひときわ大きな木が見えてきます。これが「箒杉」[ツーリングマップル関東甲信越 P.18(中部北陸 P.44)C-1]であり、その高さは約45m、推定樹齢は約2000年の古木です。「箒杉」の下には「箒杉茶屋」があり、手打ち蕎麦を味わえます。

側まで行けるが、箒杉の全景を見るなら道路からがおすすめ
4.東名高速の「ぷらっとパーク」でひと休み、小山町では歴史を物語る建造物を見学
丹沢湖から国道246号へ戻り、小山町へ向かいます。途中、東名高速道路の鮎沢PA[ツーリングマップル関東甲信越 P.18(中部北陸 P.44)B-4]は、一般道からも利用ができる「ぷらっとパーク」で、上り線の食堂は定食から麺類まで、豊富なメニューが魅力です。スナックコーナーではユニークな「アメリカンドッ君」も購入できます。

一般道からも利用できる鮎沢PA(上り)。

人気のSAPAグルメ「アメリカンドッ君」。建物内に描かれた「アメリカンドッ君」物語も必見
静岡県の東端に位置する小山町の発展には、富士紡績株式会社(現・富士紡ホールディングス株式会社)が大きく寄与していて、町内にはその歴史を今に伝える施設がいくつか残されています。 そのひとつが、町を見下ろす高台に位置する「豊門公園」の中にある「西洋館」と「豊門会館」。 「西洋館」はかつて学校や社員寮として使われていた洋風の建物で、1階はカフェ、2階は富士紡績と小山町の歴史資料が展示されています。 「豊門会館」は、東京にあった富士紡績株式会社の社長であった 和田豊治氏の邸宅を移築したもので、和風と洋風の建築洋式が融合した造りが特徴です。館内の見学も可能で、あんみつやおしるこなどの和スイーツを楽しむこともできます。

学校や社員寮として使われていた「西洋館」

「豊門会館」は国登録有形文化財(引用:まっぷるウェブ)
小山町を流れる酒匂川に架かる「森村橋」も、富士紡績と深い関わりを持つ施設です。この橋は、工場と小山駅※を結ぶトロッコ鉄道の橋として、明治39年に架けられた鋼鉄製のガーター橋です。2020年には、当時の部材を可能な限り残して、歩行者専用橋として美しく復元されました。 ※現在の駿河小山駅

橋の名前は、富士紡績の経営を立て直した「森村市左衛門氏」への謝辞として名付けられた。橋のたもとには「森村市左衛門氏」の胸像がある