
Touiring
2025.05.30
おいしい湧水を目指してツーリングしよう! 関西のおすすめ名水5選
ツーリング中に「名水」「湧水」スポットを目にしたこと、ありませんか?ツーリングマップルにもたくさん表示されている各地の「名水」。コンコンと湧き出る湧水は、ひんやり冷たく、これからの季節、火照った身体をクールダウンする休憩スポットとしてもおすすめです。のどを潤すだけでなく、水音は耳も癒してくれて、たちまち暑さも疲れも吹き飛んでしまうでしょう。 今回は、『ツーリングマップル関西』掲載エリアから、「古事記」や「日本書紀」にも登場する「醒井宿」の名水から、神秘的な森の中に湧く若狭の湧水、京都・伏見の古刹の境内に湧く湧水、奈良・天川村の不思議な名前の湧水、そして熊野古道を歩く人が咽を潤した名水を紹介します。早速見ていきましょう!
▶関西 5 selections◀
1.居醒の清水(いさめのしみず)/滋賀県 2.瓜割の滝/福井県 3.御香水(ごこうすい)/京都府 4.ごろごろ水/奈良県 5.野中の清水/和歌山県

【1.居醒の清水】
旧中山道・醒井宿(さめがいしゅく)の「加茂神社」に湧き出る名水で、ここを源流とする清流・地蔵川には希少な魚「ハリヨ」や、水中花の「梅花藻(ばいかも)」が生息する。「古事記」や「日本書紀」にも登場し、日本武尊が伊吹山の大蛇と戦って猛毒に侵された際、毒を洗い流した霊水とも言われる。 地蔵川には他にも西行水、十王水が湧いていて、古くから住民の生活水としても利用されている。「平成の名水百選」。街道筋の「丁子屋(ちょうじや)」では、この水を使った名水まんじゅうや梅花藻ソフトを売っている。 ツーリングマップル➡関西 P.67 G-5

加茂神社の境内にある湧水地

水源地に立つ、日本武尊(やまとたける)の像

醒井宿を流れる地蔵川。飲めそうなほど、きれいな水

清流にしか咲かない梅花藻。初夏から夏に梅に似た白い花を咲かせる

「丁子屋」の梅花藻パウダー入りのソフトクリームと水まんじゅうがのったかき氷
【2.瓜割の滝】
「天徳寺」境内の鬱蒼とした森の中に湧き、瓜が割れるほど冷たいことからその名がついたとされる。苔むす岩の間を流れる水の中には、きれいな水にしか見られない希少な紅藻類が生息し、環境省が行った名水百選総選挙(2016年開催)では、「おいしさが素晴らしい名水部門」で第二位に選ばれている。 一帯は「瓜割名水公園」になっていて、四季折々の花々が美しいが、特に初夏のアジサイは見事。取水口は駐車場内にあり、持ち帰る場合は協力金300円。参道の店「名水の里」(4~10月上旬営業)で売っている名水まんじゅうもぜひ。 ツーリングマップル➡関西 P.66(中部北陸 P.36) E-1

幽玄で神秘的な森の中に水源地があり、マイナスイオンに癒される

赤く見えるのは、紅藻類の「ヒルデンブリンチア リブラリス」。一定した水温ときれいな水質の場所でしか生育できない

駐車場の一画にある取水所。大量に汲んでいく人も多い

熊川名産の葛と瓜割の名水を使っている。透明な葛のプルプル食感がGOOD!
【3.御香水】
酒どころとして有名な、京都・伏見の「御香宮(ごこうのみや)神社」境内にある湧水。平安時代、境内より湧き出した香りのよい水を飲んだところ、たちまち病気が治ったので、清和天皇から「御香宮」の名を賜ったとされる。甘みのある軟水で喉越しの良さが特徴。伏見七名水のひとつで名水百選。境内入域自由、持ち帰り無料。 ツーリングマップル➡関西 P.46 B-4

神社の手水代わりにもなっている

伏見城の大手門を拝領した表門。正面の屋根の下にあるのは中国二十四孝(中国で古来有名な24人の孝子)を彫った蟇股(かえるまた)

拝殿は、伏見城の御車寄だった建物
【4.ごろごろ水】
「洞川温泉」から大峯山登山口への途中、石灰岩層から湧くミネラル分豊富な水温10.4度の清冽な水で、水が湧く洞窟から、小石が転がるような音がすることから名づけられた。近くにある「泉の森」、「神泉洞」とともに、「洞川湧水群」として名水百選に指定されている。 「ごろごろ茶屋」の駐車場に取水場があるが、営業時間外は水は出ないので注意(営業は9:00~18:00、7・8月は8:00~、水曜休)。 ツーリングマップル➡関西 P.18 E-3

奥の洞窟から湧き出している。ここから水を汲むことはNG

「ごろごろ茶屋」の駐車場にある取水口。駐車料金(バイクは200円)がかかる。車の人は大量に汲んでいく


レトロな雰囲気の洞川温泉街。修験道の聖地・大峰山の門前町でもある

洞川湧水群のひとつ、「泉の森」。「ごろごろ水」同様にミネラル分が多い
【5.野中の清水】
熊野古道中辺路・「野中の一方杉」が繁る、「継桜王子(つぎざくらおうじ)」※のすぐ真下に湧く冷たい水。古来から一度も枯れることなく湧き続け、熊野詣の旅人の喉を潤してきた。現在も近隣住民の生活用水としても使われている。周囲に人工物もなく緑に囲まれた静かな環境の中にあり、落ちつける雰囲気がいい。南紀を流れる清流・日置川の源流の一つでもある。名水百選。 ※「王子」とは熊野古道沿いの神社のこと ツーリングマップル➡関西 P.4 J-3

鬱蒼とした緑の中に映える赤い欄干が目印

手前の階段を降りたところに水を汲む場所がある

継桜王子社の境内の杉の巨木群は「野中の一方杉」と名付けられている。南の方角にしか枝を出していない。右は継桜王子の鳥居

急な階段を登った先にある継桜王子

継体王子のすぐ横にある、とがの木茶屋。現在は茶屋ではなく休憩施設になっている