Touiring
2025.06.23
九州ツーリングで絶対に走りたい! 阿蘇・桜島・日南海岸——南国の“神ルート”5選
阿蘇の外輪山、桜島の火山、日南の海岸。 火山と海、草原を同じ日に走れるのは九州だけ。この記事ではライダー目線で選んだ九州の絶景ロード5選を紹介します。 山も海も、道も、スケールが違う。 そんな“地形の宝島”を走るなら、この5本の絶景ロードを外すわけにはいかない。 ツーリングマップル九州沖縄の取材担当を担当する坂口さんが、九州のツーリングロードの中から、走って気持ちいい・景色がいい・写真映えするルートを厳選してくれました。季節ごとのおすすめ時期や立ち寄りポイントも紹介します。 ※2025年10月に一部記事を更新しました
▶九州沖縄 5 selections◀
1. 平尾台カルストロード(福岡県北九州市) 2. ミルクロード(熊本県阿蘇市) 3. 島原まゆやまロード(長崎県島原市) 4. 日南フェニックスロード(宮崎県日南市) 5. 桜島溶岩道路(鹿児島県鹿児島市)
1. 平尾台カルストロード(福岡県北九州市)
「九州にもこんなところがあったんだ!」 そう思わせてくれるのが、石灰岩が無数に広がる白いカルスト台地「平尾台」。 その平尾台を貫く異世界のような道が「平尾台カルストロード」。朝夕は霧が流れ、草原が銀色に光る瞬間も。アップダウンはゆるやかで、初心者でも安心して楽しめる快走路です。 おすすめは南側の行橋方面から県道28号線でのアクセス。ヘアピンカーブが連続する急勾配の峠道を上がっていくと、突然視界が開けて、カルストの地形が現れます。 鍾乳洞の看板を目印にカルスト台地へ。ロード内では「見晴台」や「茶ヶ床園地」で、駐車してじっくりカルストの絶景を見ることができます。また、中まで見学できる鍾乳洞も点在していて、暑い時期にはクールダウンにもおすすめ。帰路は県道28号線で北九州市方面へ下ると、市内を一望するワインディングが楽しめます。 全長:約8km 見どころ:貫洞群、平尾台自然観察センター おすすめ時期:春〜初夏(新緑)
これぞ絶景!平尾台カルストロード
カルスト台地が広がる平尾台
目白鍾乳洞。一年を通して内部は14~15度くらい
2. ミルクロード(熊本県阿蘇市)
ライダー憧れの聖地・阿蘇。 その外輪山を走る“天空の道”が「ミルクロード」です。これまで何度も紹介してきたけど、やっぱり絶景道となると外せません。 阿蘇外輪山の尾根を駆け抜ける草原ルートは「阿蘇のハイライト」と言っても過言ではないのです!雲の上を走るような開放感。朝方には雲海が見られることも。放牧地を縫うように続くワインディングは、思わず何度も往復したくなる心地よさです。 この「ミルクロード」、県道339号から12号、45号を経由して「やまなみハイウェイ」に続く全長約45㎞の道で、途中には阿蘇谷を一望できる「二重峠(ふたえのとうげ)」や「阿蘇スカイライン」「大観峰(だいかんぼう)」など絶景スポットが点在。季節ごとに移り変わる風景も魅力のひとつなので、季節を変えて何度も訪れてみましょう。(ツーリングマップル九州沖縄 P25・P26) 全長:約45km 見どころ:大観峰、兜岩展望所、阿蘇スカイライン展望所 おすすめ時期:5月〜11月
阿蘇スカイライン展望所からの絶景
豊後街道の石畳が残る「二重峠」。ここから望む阿蘇五岳もおすすめ
ミルクロード(県道12号)は、どこまでも続く尾根道。四季折々の風景を楽しめる
3. 島原まゆやまロード(長崎県島原市)
有明海と雲仙岳を結ぶ、標高差のあるワインディング。 火山の斜面を縫うように走るルートで、見晴らしのよいカーブが続きます。 「島原まゆやまロード」は、2000年3月に開通して以来、私も何度も訪れているおすすめの道です。島原市の西側にある眉山を迂回して、平成新山を間近に望む絶景道です。 平成新山は1990年から始まった雲仙普賢岳の噴火活動によってできた山で、岩肌むき出しの荒々しい山や土石流・火砕流跡、日本一の砂防ダム群など大迫力の自然を感じることができます。 ルート上には「千本木展望所」・「平成新山展望園地」・「平成新山ネイチャーセンター」と、駐車してゆっくり展望できる場所があり、違った方向から見る「平成新山」はそれぞれに違う姿を見ることが出来て、どれもおすすめですよ。(ツーリングマップル九州沖縄 P80) 全長:約11km 見どころ:仁田峠展望所、平成新山ネイチャーセンター おすすめ時期:春・秋(空気が澄む季節)
平成新山展望園地から平成新山方面を望む。火砕流や土石流の跡が広がる
うっとりする島原まゆやまロード。平成新山展望園地から島原湾方面を望む
平成新山ネイチャーセンターからの風景も美しい
4. 日南フェニックスロード(宮崎県日南市)
海沿いをヤシの木が並び、まるで南国映画のワンシーン。 青い空と太平洋、そしてコバルトブルーのカーブを描く国道220号が「日南フェニックスロード」。 南国気分をたっぷり味わえる日南フェニックスロードは、宮崎市内南部から都井岬を結ぶ道の呼称で、沿道にはパワースポットの「青島神社」や「鵜戸神宮(うどじんぐう)」もあります。今回は、その中の宮崎市内~日南市内のルートを紹介。 フェニックスが建ち並ぶ、南国風景たっぷりの宮崎市内を走る国道220号から分岐する県道377号で「堀切峠」方面へ。日南フェニックスロードの始まりはこの「堀切峠」と言いたいくらい、峠からバーンと広がる太平洋や「鬼の洗濯板」の不思議な風景に心奪われること間違いなし!なのです。ここから日南市内までは、国道&旧国道(県道)を走りつないでシーサイドラインを進むと、色んな風景に出会えておすすめです。 区間:青島~日南市南郷町(約40km。※全線約80km) 見どころ:堀切峠、鵜戸神宮、サンメッセ日南 おすすめ時期:通年(特に冬の晴天日)
突然広がる眼前の風景に感動する「堀切峠」(ツーリングマップル九州沖縄 P.54 E-5)
国道220号から。沿道にはパーキングが多く、海の眺めが楽しめる
「鬼の洗濯板」もココならではの風景
モアイ像!?アートと風景が楽しめる「サンメッセ日南」(ツーリングマップル九州沖縄 P.58 A-2)
パワースポットで人気の「鵜戸神宮」(ツーリングマップル九州沖縄 P.58A-2)
5. 桜島溶岩道路(鹿児島県鹿児島市)
桜島の麓をぐるりと回る、溶岩原の中の一本道。 噴煙を上げる桜島を間近に感じながら走るスリルは、ほかでは味わえない。 ここ最近、活発な噴火活動が続いている桜島。だけど地元の人たちは、「まぁいつものことか」という程度で「へが降らんとよかね」と、風向きの方が気になっています。※「へ」は鹿児島弁で「火山灰」のこと そんな桜島にある溶岩道路(国道224号の一部)は、ゴツゴツした溶岩原と海の間を抜ける快走路。所々にある噴火時の退避壕も桜島ならでは。運が良ければ?ドカンと煙を上げた桜島に遭遇することができるかも!少しルートを外れて「湯之平展望所」への道も真正面に迫る桜島の絶景ルートでおすすめ。
桜島溶岩道路。この迫力!
桜島南岳の火口に最も近い「有明溶岩展望所」(九州沖縄56B-5)。遊歩道が整備されている
「湯之平展望所」への道。目の前に桜島が迫る
桜島へは桜島フェリーで。桜島溶岩なぎさ公園(九州沖縄55K-4)からの風景
桜島溶岩なぎさ公園は足湯があって暖かい??足湯でまったり日向ぼっこのネコ
まとめ:九州は“地形そのもの”が走る理由になる
阿蘇の外輪山、桜島の火山、日南の海岸、平尾台のカルスト。 九州のツーリングは「地形を感じる旅」そのもの。 次の休日は、迷ったら南へ。 そして、風と匂いと、エンジンの鼓動で九州を走り抜けましょう。