2025.03.10

2025春の東北おすすめツーリングコース【1泊2日編】

もうすぐ春ですね。冬の間は乗れなかったけれど、そろそろオートバイで旅に出られるかなとソワソワ、ワクワクしていませんか?そこで、今年のツーリングシーズンスタートにおすすめの「春を感じられる」コースを、ツーリングマップル 各エリア取材担当者から紹介していただきます。 今回は東北の「2025春のおすすめルート」1泊2日編です。

著・賀曽利隆

「南から北へ、福島県の浜通りを行く」ツーリングコース


東北に春がやって来ました。その中でも真っ先に春がやって来るのは福島県太平洋岸の浜通りです。このあたりは温暖な気候で冬でもほとんど雪が降りません。 今回紹介するコース、スタートは東北の太平洋岸最南端の「鵜ノ子岬」。コース上の見どころはたくさんありますが、浜通り最大の漁港「小名浜港」からの「岬めぐり」がおすすめ。三崎、竜ヶ崎、合磯(かっそ)岬、塩屋埼、富神崎と、岬が規則正しく連続します。 いわき市の新舞子浜を過ぎた四倉からは、広野、楢葉、富岡、双葉、浪江と進んで相馬へ。浜通り最北の新地がゴールです。見所、食べ処満載のツーリングコースを楽しみましょう!

福島県の太平洋岸を北上していきます

いわき市の豊間海岸を行く。前方には塩屋埼灯台が見える

豊間漁港から見える塩屋埼灯台。心ひかれる岬の風景

いわき市波立海岸の春の海。この海の青さがたまらない!

カソリおすすめのグルメ情報は最後にドドんとご紹介!お見逃しなく!

コース概要


START:鵜ノ子岬(勿来漁港) ➡ツーリングマップル東北 P.5 F-6/関東甲信越 P.84 F-6 GOAL:福島・宮城県境(県道38号) ➡ツーリングマップル東北 P.25 鵜ノ子岬から新地までは国道6号が通っていますが、それよりも海側を走れる県道がおすすめ。春の海を見ながら、岬めぐりを楽しめます。東京電力「福島第1原子力発電所」周辺以外は、県道391号に通行禁止の区間はありません。豊間海岸を通る「県道382号」や大洲海岸の「大洲松川浦ライン」など、絶景ルートは必ず通って!

1.スタート地点は東北、太平洋岸最南端の「鵜ノ子岬」。まずは小名浜へ向かう!


今回のスタート地点は、東北地方の太平洋岸、最南端の「鵜ノ子岬」[ツーリングマップル東北 P.5 F-6/関東甲信越 P.84 F-6]。鵜ノ子岬の南側が茨城県の「平潟漁港」。北側が福島県の「勿来(なこそ)漁港」です。

鵜ノ子岬を出発。ここは東北側の勿来漁港

勿来漁港に水揚げされたアンコウや魚。このあと競りにかけられる

さあ、まずは小名浜に向かいましょう。途中、「奥州三関」の一つ、勿来関跡[ツーリングマップル東北 P.5 F-5/関東甲信越 P.84 F-5]に寄っていきます。ここが東北の玄関口。後に鎌倉幕府を開いた源頼朝や、室町幕府を開いた足利尊氏などの祖先にあたる、源義家の騎馬像が建っています。

勿来関跡に建つ義家の騎馬像

勿来関公園の早咲きの桜

JR常磐線の勿来駅前にも源義家の騎馬像が建っている。ここではうれしい仲間との出会いがあった!

国道6号から海寄りの県道239号を経由して小名浜へ。その途中の竜宮岬[ツーリングマップル東北 P.5 H-4/関東甲信越 P.84 H-4]はおすすめの立ち寄りポイント。

砂浜を歩いて竜宮岬へ

小名浜には人気スポットの「いわき・ら・ら・ミュウ」[ツーリングマップル東北 P.5 J-3/関東甲信越 P.84 J-3]があり、ここの海鮮レストランでは、新鮮な海鮮料理が楽しめます。

「いわき・ら・ら・ミュウ」。2025年9月からは道の駅として登録される

「いわき・ら・ら・ミュウ」の海鮮レストラン「とのがみ」の海鮮丼。全部で11種の具材

「いわき・ら・ら・ミュウ」の2階には「3・11 いわきの東日本大震災展」の展示がある。ぜひとも見学していこう!

ここからは観光船「サンシャインシーガル」が出ている。クルーズも楽しい!

「アクアマリンふくしま」。ここは東北最大の水族館。一日楽しめるテーマパーク

2.小名浜からの岬めぐりは最高!


小名浜漁港からは、規則正しく等間隔で岬が連続する海沿いルートがおすすめ。 まずは「三崎」。三崎は小名浜漁港の天然防波堤のようなもの。全体が三崎公園[ツーリングマップル東北 P.5 J-3/関東甲信越 P.84 J-3]となっていて、その中に360度の大展望が楽しめる「いわきマリンタワー」が立っています。

ここは小名浜港の天然の防波堤

三崎から見下ろす小名浜漁港

海抜106mの展望室と、屋上にスカイデッキがある「いわきマリンタワー」

三崎の潮見台。太平洋の断崖を見下せる

これが潮見台からの眺め。絶景だ!

岬は漁港とセットになっています。竜ケ崎は中之作漁港、合磯岬(かっそみさき)は江名漁港、塩屋埼は豊間漁港、富神崎は沼ノ内漁港と、切っても切れない関係です。

江名漁港から見る合磯岬(かっそみさき)

これらの岬の中でも一番の観光スポットは、「塩屋埼」[ツーリングマップル東北 P.5 L-2/関東甲信越 P.84 L-2]です。美空ひばりの『みだれ髪』の歌碑が建ち、高台上の灯台に登れば眺めは絶景。南の豊間海岸、北の薄磯海岸も一望できます。

塩屋埼から富神崎を過ぎて、新舞子浜の松林を走り抜けると、四倉舞子温泉「よこ川荘」に到着。ここはカソリの定宿で今までに39泊しています。一泊してゆっくりと体を休めましょう。 ※よこ川荘は記事の最後の方で紹介します。

3.四倉舞子温泉からさらに浜通りを北へ


四倉舞子温泉から、さらに浜通りを北上します。旧国道6号だった県道395号に入り、絶景岬の波立岬[ツーリングマップル東北 P.10 L-5/関東甲信越 P.92 L-5]へ。ここには東日本大震災の大津波にも耐えた「波立薬師」があり、奇跡のパワースポットとして人気を集めています。歩いて弁天島に渡れて、岩場には赤い鳥居が立っています。

弁天島。鳥居までは歩いて行ける

さらに波立海岸を走っていくと、「久之浜」ですが、ここの稲荷神社(秋葉神社)[ツーリングマップル東北 P.10 L-4/関東甲信越 P.92 L-4]も、東日本大震災の大津波や大火事をまぬがれた奇跡のポイント。 県道6号の新道に合流すると広野町に入り、ここから楢葉町、富岡町と進みます。海沿いを通る県道391号は、2車線の快走路で気分よく走れます。 楢葉のおすすめポイントは天神岬[ツーリングマップル東北 P.10 M-1/関東甲信越 P.92 M-1]。展望台から浜通りの海岸線を一望し、阿武隈山地の山並みまで一望できます。

楢葉の天神岬からの眺め。木戸川が太平洋に流れ出る

天神岬の北田天満宮

春ならば、富岡町の「夜ノ森の桜」[ツーリングマップル東北 P.15 L-4/関東甲信越 P.99 L-4]はぜひ見ましょう。双葉町では「東日本大震災・原子力災害伝承館」[ツーリングマップル東北 P.15 M-2/関東甲信越 P.99 M-2]を見学。

夜ノ森の桜並木。夜はライトアップされる

双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」を見学

浪江町では道の駅「なみえ」[ツーリングマップル東北 P.20 L-7/関東甲信越 P.105 L-4]に立ち寄って「なみえ焼きそば」を食べよう。ここには大堀相馬焼の売場や、地酒「壽(ことぶき)」の醸造所・鈴木酒造店の蔵もあります。

国道6号沿いの「道の駅なみえ」に寄っていこう!

道の駅「なみえ」の大堀相馬焼の売場。青ひび、二重焼き、駒の絵などの特徴を持っている

道の駅「なみえ」の地酒売場

道の駅「なみえ」で造られている「磐城壽(いわきことぶき)」

鈴木酒造店・浪江蔵。震災・原発事故で一度は浪江を離れ、山形に蔵を移したものの、再びこの地で酒造りを再開した。

4.絶景の「大洲松川浦ライン」を走り、新地に到着。浜通り、ここにつきる!


相馬市で絶景ルートと言えば「大洲松川浦ライン」[ツーリングマップル東北 P.25 L-4]。右手に太平洋、左手に潟湖(「せきこ」…砂州、沿岸州などによって海の一部が外海と隔てられてできた湖沼)の「松川浦」を見ながら道を行くと、前方には「鵜の尾岬」が見えてきます。

大洲松川浦ラインを行く。前方には「鵜の尾岬」が見えてくる

春の松川浦の眺め。阿武隈山地の山並みには雪が残っている

鵜の尾岬のトンネルを抜け、松川浦大橋を渡ったところには「浜の駅 松川浦」があります。魚介類の直売所があり、レストランは海鮮メニューが豊富。

松川浦大橋を渡って松川浦漁港へ

松川浦漁港の人気スポットの「浜の駅 松川浦」

海鮮メニューが豊富

松川浦漁港。漁船が港を埋めつくし活況を呈している

漁港近くの食事処「斉春」で味わえるのが「メヒカリ」。浜通りの海の幸を代表する魚です。 さて、旅もいよいよ終盤。海沿いの県道38号で新地町に入り、JR常磐線の新地駅へ。駅前には温泉「つるしの湯」[ツーリングマップル東北 P.25 J-2]があります。さらに、県道38号を走るとゴールの福島・宮城県境。ここまでやって来ると、 「浜通りを完走した!」 という感動が胸にこみ上げてきますよ。

5.浜通りの食べ歩き!


浜通りは「食」の宝庫。多彩な海の幸を各地で食べられます。「常磐もの」と呼ばれる浜通りの魚のうまさは格別。ということでカソリの心に残った浜通りの「食10選」を紹介しましょう。 小名浜の「いわき・ら・ら・ミュウ」に入っているレストランをはじめ、漁港の周辺には魚料理の店が何軒もあります。ぼくはとくに小名浜のカツオが好きです。 いわき市四倉の「道の駅よつくら港」も、海鮮メニューが数多く揃っています。

「いわき・ら・ら・ミュウ」にある「まさ常」の「どんこ煮」[ツーリングマップル東北 P.5 J-5/関東甲信越 P.84 J-5]

小名浜の海鮮レストラン「まるかつ」の「かつお刺身定食」

道の駅よつくら港の「海鮮釜めし&もりそばセット」

同じく道の駅よつくら港、サンシャイントマトのソフトクリーム[ツーリングマップル東北 P.5 J-5/関東甲信越 P.84 J-5]

「レストラン岬(サイクリングターミナル天神)」の「マミーすいとん天ぷら定食」[ツーリングマップル東北 P.10 M-1/関東甲信越 P.92 M-1]

浪江の「なみえ焼きそば」は超人気の一品になったし、夜ノ森のバームクーヘンのような新登場の一品もあります。 松川浦も食べ処。漁港周辺には何軒ものレストランや食堂があります。

「BAUM HOUSE YONOMORI」のバームクーヘン[ツーリングマップル東北 P.15 L-4/関東甲信越 P.99 L-4]

道の駅「なみえ」の「なみえ焼きそば」[ツーリングマップル東北 P.20 L-7/関東甲信越 P.105 L-4]

松川浦の「旭亭」の「あさりご飯定食」[ツーリングマップル東北 P.25 L-4]

松川浦の「斉春」の「めひかり唐揚げ定食」[ツーリングマップル東北 P.25 L-4]

「つるしの湯」の「釜揚げしらす丼」[ツーリングマップル東北 P.25 J-2]

6.宿泊情報


最後に宿泊情報です。浜通りのツーリングルートを、一泊してゆっくりのんびり春を味わってみてはいかがでしょうか。 【四倉舞子温泉「よこ川荘」】 四倉舞子温泉のカソリの定宿。道の駅「よつくら港」が近い。浜通り探訪の絶好の拠点! ツーリングマップル➡東北 P.10 L-6/関東甲信越 P.92 L-6

四倉舞子温泉の「よこ川荘」

「よこ川荘」の温泉

「よこ川荘」の夕食

【蒲庭温泉「蒲庭館」】 相馬市の県道74号沿いにある蒲庭温泉の一軒宿。見事な庭園。徳冨蘇峰ゆかりの温泉宿 ツーリングマップル➡東北 P.25 M-6

蒲庭温泉の「蒲庭館」

「蒲庭館」の温泉

松川浦の海の幸や自家菜園の野菜でつくる料理が並ぶ夕食

【楢葉町サイクリングターミナル「展望の宿 天神」】 天神岬の宿泊施設。天神岬温泉「しおかぜ荘」とつながっている ツーリングマップル➡東北 P.10 M-1/関東甲信越 P.92 M-1

楢葉町サイクリングターミナル「展望の宿 天神」

隣接する天神岬温泉「しおかぜ荘」

【HOTEL GRADO SHINCHI】 常磐線のJR新地駅の駅前ホテル。隣接する天然温泉「つるしの湯」とつながっている ツーリングマップル➡東北 P.10 J-2

JR新地駅前の「HOTEL GRADO SHINCHI」

隣接する天然温泉「つるしの湯」

1泊2食付きのプランも選べる

関連記事