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2025.08.30
ツーリングに強いテントブランド5選 キャンプ旅を快適にする選び方と信頼のメーカー
バイクで長距離を走り、日が落ちるころにテントを張って湯をわかす。ツーリングキャンプは、移動と滞在が一続きの体験です。そんな旅の相棒として頼りになるのが、ツーリングに強いテントをつくるブランドの存在。数値やスペック表だけではわからない設計思想やサポート体制は、旅の快適さと安心感を左右します。 この記事では、キャンプツーリングを楽しむライダーに向けて、ツーリングテントの基本と選び方のポイントを整理し、信頼して選べる5つのブランドを紹介します。
ツーリングテントを選ぶときの4つのポイント
ツーリングでは、天候も路面も毎日違います。荷物はできるだけ軽く、眠りはできるだけ深く。そんなキャンプツーリングを快適にするには、テント選びの軸をしっかり持つことが大切です。ここでは、迷わず選ぶための4つのポイントを紹介します。 【1.軽量性と収納性は走行安定に直結する】 パッキングはリアシートの高さやバイクの重心に大きく影響します。収納径や長さ、総重量は必ずチェックしましょう。軽いだけでなく、収納袋の形状やフレームの長さがキャリアにきちんと収まるかどうかも重要です。キャンプツーリングでは、積載バランスの良し悪しが走行中の安定感を左右します。 【2.設営と撤収の速さは疲労を左右する】 ツーリング中は、到着が夕暮れや小雨、強風ということも珍しくありません。少ないポールで自立できるか、スリーブ式かクリップ式か、ペグの本数はどれくらいか。こうしたポイントを確認すると、設営や撤収のスピードが大きく変わります。作業がシンプルなテントほど、長旅では疲労を抑えやすく快適です。 【3.天候への対応力は前室と換気で決まる】 雨や朝露のときに、濡れずに動ける前室は快適さの鍵です。ベンチレーション(通気口)の位置と数、フライとインナーの間隔、スカートの有無を確認しておきましょう。結露や風への耐性が高いテントほど、天候の変化が激しいツーリングにも安心して使えます。 【4.生地と素材の考え方を知っておく】 ポリエステルは軽くて乾きやすく、手入れがしやすい素材です。T/Cやコットンは火の粉に強く、結露もしにくい一方で重く乾きにくいという特徴があります。ツーリングでは「雨天後の乾きやすさ」と「積載重量」をどう両立させるかがポイントです。自分の旅スタイルに合わせて、素材を選びましょう。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    キャンプツーリングにおすすめのテントブランド5選
ツーリングという移動を前提にしたキャンプでは、軽量性や設営のしやすさ、耐候性といった要素をどうバランスさせるかが鍵です。ここで紹介する五つのブランドはいずれも、長距離旅やキャンプツーリングで安定した評価を得ているメーカー。代表モデルにこだわらず、ブランドの方向性と選び方のポイントを押さえましょう。
モンベル 日本の気候と移動の現実に寄り添う設計が強み
国内の降雨・湿度・風を前提に、軽量化と設営性を高いレベルで両立してきたのがモンベルです。フレームワークは合理的で、夜間到着や雨天設営でも手順が迷いにくい構造。前室の有効高さや出入りの導線、結露対策まで実用性が詰まっています。全国に店舗とサポート網があるため、旅先での補修や交換にも対応しやすいのも強み。連泊や悪天候明けでも安定して行程を回したいツーリングキャンパーに向きます。 【こんな人におすすめ】 長距離と連泊を組み合わせる旅、装備の軽さと管理のしやすさを重視する人 【購入時のチェックポイント】 収納袋の長さがキャリア幅に収まるか、前室の高さと奥行き、雨天設営手順のシンプルさ
                                                                        画像:Amazon
コールマン 手軽さと快適さの両立で初心者にも優しい
設営のわかりやすさ、前室の広さ、居住空間の余裕。コールマンのツーリング向けテントは、初めてのキャンプツーリングでも段取りを崩さない設計が魅力です。耐水圧やベンチレーションなど基本性能をしっかり押さえ、落ち着いた色調でサイトにもなじみます。重量は最軽量ではないものの、そのぶん安心感のある居住性を得やすいのが特徴です。 【こんな人におすすめ】 初めてのテント泊や年数回のバイクキャンプ旅、設営に時間をかけたくない人 【購入時のチェックポイント】 収納サイズと重量の許容範囲、前室のキャノピー展開可否と付属ポールの有無
                                                                        画像:Amazon
MSR 変わりやすい天候でも崩れない強さと合理性が魅力
登山や遠征で培われた設計思想をもとに、風や雨に振れ幅の大きいルートでも安定するのがMSR。フレームの交点強度やテンションのかけやすさなど、悪天候下の作業性で差が出ます。軽量ながら室内の立ち上がりが良く、夜間の着替えや荷物整理も快適。耐候性を重視しつつ移動日数を重ねるツーリング旅に向きます。 【こんな人におすすめ】 山間部や沿岸など気象差の大きいルート、シーズンを問わず走る人 【購入時のチェックポイント】 フライの張り代とテンション調整の幅、ペグ本数と交換のしやすさ、雨天設営時の安定性
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テンマクデザイン 滞在時間の心地よさと実用を両立する
焚き火の時間を楽しみたい人には、テンマクデザインの思想が響きます。T/Cやコットンを使った幕体は結露しにくく、落ち着いた質感で快適なサイトを作りやすいのが魅力。一方で重量や乾燥時間は長くなるため、走行距離とのバランスがポイントです。キャノピー展開やポールワークの自由度が高く、滞在時間を豊かにしたいキャンプツーリングに適しています。 【こんな人におすすめ】 焚き火前提のキャンプ旅、現地でのくつろぎを重視する人 【購入時のチェックポイント】 総重量と乾燥時間の許容範囲、キャノピー展開の自由度、雨天撤収時の収納手順
                                                                        画像:Amazon
DOD 設営の速さと遊び心でキャンプ旅を軽くする
ワンタッチ構造や直感的な設営フローなど、DODは「手軽に楽しむ旅」に強いブランドです。メッシュ面の広さや開口部の工夫で夏場の通気性も良く、デザインの遊び心が気持ちを上向かせます。軽さよりも設営のスピードや快適さを優先するスタイルに適しており、週末のバイクキャンプや短期の旅にぴったりです。 【こんな人におすすめ】 設営・撤収をスピーディに済ませたい週末旅、見た目の楽しさも大切にしたい人 【購入時のチェックポイント】 固定方式とペグ数、メッシュの開閉パターン、収納袋の形状とキャリア適合
                                                                        画像:Amazon
実践で差が出るツーリングテントの選び分け
ツーリングテントは、走行スタイルや設営環境によって最適解が変わります。旅の距離、日数、天候、地形。これらを整理しておくことで、快適さと安心感のバランスを取った選択ができます。ここでは、実際のキャンプツーリングで差が出る三つの視点を紹介します。 【走行距離と連泊日数を最初に決める】 一日の走行距離が長いほど、軽量で収納が短いテントが効きます。反対に、連泊が増えるほど室内高や前室の広さが活きてきます。たとえば二泊三日で雨予報なら、軽さ一辺倒よりも前室での作業性を優先するのが現実的です。走行と滞在、どちらを軸にするかを決めると、テント選びの方向が明確になります。 【設営地の傾向を思い返す】 高原の風、海辺の湿気、林間の結露。自分がよく行くキャンプ地の環境を言語化しておくと、通気レイアウトやスカートの有無などを判断しやすくなります。風通しを重視するか、保温性を優先するか。走る地域の気候を踏まえた選び分けが、ツーリングの快適さを左右します。 【荷物の置き場と導線をシミュレーションする】 ヘルメット、濡れたレインウェア、クッカー。ツーリングテントでは、これらをどこに置き、どう干すかをイメージしておくと快適です。出入り動線や前室の高さ・奥行きに余裕があると、夜間の動作もスムーズ。荷物の配置を想定して選ぶことで、実際の旅でのストレスを大きく減らせます。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    ツーリングテントに関するよくある質問と解決のヒント
ツーリングテントを選ぶとき、サイズや素材、前室などで迷う人は多いものです。ここでは、キャンプツーリングでよく挙がる質問と、その考え方のヒントをまとめました。 Q. ソロでも2〜3人用を選ぶべき? A. 荷物を室内に入れるなら、少し広めのサイズが快適です。 ヘルメットやバッグをテント内に置く場合、1人用よりも2〜3人用のツーリングテントが使いやすいことが多いです。重量や収納長はやや増えますが、雨天時の動きやすさとストレス軽減の効果は大きく、結果的に旅の疲れを抑えられます。 Q. 前室はどれくらい重要? A. 雨天時の快適さを左右する最重要ポイントです。 煮炊きや濡れ物の管理など、前室の広さと高さはキャンプツーリングの快適さに直結します。キャノピー展開のしやすさや奥行きも重要で、火器を使う際は必ず換気を確保するようにしましょう。 Q. T/Cやコットン素材はツーリングに向く? A. 滞在重視の旅には適していますが、連日走る旅ではやや不向きです。 T/Cやコットンは焚き火に強く、結露にも強い素材ですが、乾きにくさと重量がデメリットです。連日移動するツーリングテントとしては軽量ポリエステルが扱いやすく、滞在型のキャンプ旅ではT/Cが快適です。 Q. 風に強いテントはどう見分ける? A. フレームの交差点の多さとテンション設計を確認するのが基本です。 ガイライン(張り綱)の取り方やペグダウン箇所の数、低めのシルエットも風への強さに影響します。ツーリングキャンプでは、設営地が開けた場所になりがちなので、耐風性の高さを意識して選ぶと安心です。 Q. 予算を抑えたいときのコツは? A. 快適さを保つ三要素を削らないことが結果的に得です。 サイズ・フレーム剛性・前室の三点は、ツーリングテントで快適さを支える柱です。これらを犠牲にすると買い替えが早まりやすく、かえってコストがかさむこともあります。付属品(フットプリントやポール)の有無も含めて、実質価格で比較するのが賢い選び方です。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    自分の旅のリズムに合うツーリングテントブランドを選ぶ
テントは寝具であり、同時に旅を整える道具でもあります。走る時間と休む時間のバランスは人によってさまざま。軽さを軸に効率よく移動したい人もいれば、雨でも安心してリビングを作りたい人、焚き火の前で静かに過ごしたい人もいます。どの価値観にも応えるツーリングテントのブランドが存在します。 モンベルは計画的に距離と泊数を重ねる旅に、コールマンは初めてのキャンプ旅に、MSRは天候変化の大きいルートに、テンマクデザインは滞在時間の心地よさに、DODはテンポの良い週末旅に適しています。それぞれの思想を理解して選べば、装備が旅の妨げではなく、頼れる味方になってくれるはずです。 気になるブランドが見つかったら、公式サイトや販売ページで収納サイズや重量、素材、前室構成を比較してみてください。自分の旅のリズムに合う一張りを見つけることが、次の目的地までの道のりを、より軽く、自由にしてくれます。