2024.06.28

【考察】日本の「(オートバイ)ツーリング人口」とはどれくらいなのか? その2

バイクや地図のあれこれについて考察しようというこの企画。 前回、第一回は「日本のオートバイツーリング人口」について考察を始めました。今回はその続きで、疑問の本質に迫っていきたいと思います。

著・編集部マスキ

何はともあれ統計を見ていこうぜ


前回も述べたようにそもそも「ツーリングライダーとは何か?」その定義次第で最終的な数値は変わってくるのですが、そこはいったん置いといて、まずは「日本のツーリング人口の最大値」(そんなものがあるのか?)を探っていきましょう。 手始めに、免許について調べてみました。「(オートバイ)ツーリング人口」ってことは、最低でも「二輪免許を持っていること」は必須条件と考えて良いと思います。 現在、二輪免許には原付(普通自動車免許に付帯)・小型・普通・大型があります(それぞれにAT限定もあり)。「ツーリング」ということを考えると、原付と小型は通勤・通学ユースがメインと想像できるので、ここでは外しちゃいます(原付や小型でツーリング楽しんでいます!という方もいるのはわかっているんですが…ごめんなさい)。 では「普通二輪」以上の免許を保有している人は全国にどれくらいいるのでしょうか。

普通二輪免許の保有者は約1085万人


警視庁の運転免許統計によると、2023年末時点で普通二輪免許の保有者は約1085万人(うち大型二輪免許も保有している人が約764万人)です(下表参照)。 むむ。超ざっくりいうと、国民の10人に1人くらいの割合で普通二輪以上の免許を保有しているということです。どうでしょう。実感ありますか?…ないですよね?だって、10人に1人がバイクに乗ってたら、もっとバイク業界活気づいてるよね…。ツーリングマップルだって、もっと売れてるよね!(涙)

年代別免許保有数

64歳までと65歳以上で普通と大型の保有者が逆転してるのは、免許制度の変遷によるもの。…など、いろいろ言いたいことはありますが、本題からそれるので今回は割愛します

免許は持ってるけどバイクは持ってません!


泣き言を言ってもしょうがないのですが、10人に1人という実感がないのは、それもそのはず、オークネット総合研究所の調査(2021年)によると、バイク免許保有者のうちバイクを保有しているのは27.9%にとどまります。実に7割以上がバイクを保有していないそうです。 1085万人の27.9%といったらだいたい300万人ですね。あら、一気に減りました。

引用:株式会社オークネット「コロナ禍のレンタルバイクに関する消費者意識調査」

バイク保有台数


この数字を裏付ける「バイク保有台数」というデータもあります。 全国軽自動車協会連合会のサイトにあるデータ(出典は国土交通省)によると、126㏄以上のバイク保有台数は、2024年時点で403.5万台となっています。ちなみに「バイク保有台数」とは、ナンバープレートを取得し、公道の走行が許可されている車両の総数のことです。なので、ほとんど稼働していない車庫で眠っている(保管されている?)ようなバイクも台数に含まれます。また中にはおそらく、複数台保有者も少なくないことでしょう。

全国軽自動車協会連合会「軽二輪車・小型二輪車保有台数の年別推移」から数値を抜粋

結論!


以上を考慮すると、やはり先に出た「300万人」という数字が、普通二輪または大型二輪免許を持っていて、現在バイクを保有している人の数として現実味を帯びてくるように思います。 つまりここまでで導かれるのは 「(オートバイ)ツーリング人口の最大値は300万人」 どう感じますか?多い?少ない? あくまで最大値ですから、300万人が毎週のようにツーリングに出ているわけはないでしょうし、趣味として頻繁にツーリングを楽しんでいる人口、と考えるともっと少なくなるだろうことは容易に想像ができます。 いったん、それらしい数字が出たところで今回は終わります。

多いのか?少ないのか?今後も検証します!

このほかにも、バイクは保有していないけどレンタルバイクでツーリングを楽しんでいる人もいますからね。ここ数年でヤマハバイクレンタル、HondaGO BIKE RENTALなど、メーカー自身が手掛けるバイクレンタルサービスも盛んになり、もともと全国展開していたレンタル819とも併せて、一気に利用者数が増えているように思います。条件次第で数字はどんどん変わります。まあ、そのあたりの考察は別の機会にしましょう!

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