2025.03.21

2025春の関東甲信越おすすめツーリングコース【1泊2日編】

もうすぐ春ですね。冬の間は乗れなかったけれど、そろそろオートバイで出られるかなとソワソワ、ワクワクしていませんか?そこで、今年のツーリングシーズンスタートにおすすめの「春を感じられる」コースを、ツーリングマップル 各エリア取材担当者から紹介していただきます。 今回は関東甲信越の「2025春のおすすめルート」1泊2日編です。

著・中村聡一郎(フィネス)

静岡の春シーズンを満喫、静岡中部・大井川ツーリン グコース


ツーリングの季節がもうすぐ到来。そして、ツーリングマップル2025年度版も発売されました。 自分が担当している関東甲信越エリアは、冬でもツーリングが楽しめる地域もあるんですが、花が咲きはじめて、山の木が芽吹き出すこれからが本格的なバイクシーズンのスタート。走りながら季節の変化を体感できるこの時期は個人的にとくに好きです。 今回はそんな春におすすめのツーリングコースということで、1泊2日で大井川を河口から寸又峡温泉まで走るさわやかなルートを組んでみました。初心者の方にも走りやすいと思うので、ぜひ参考にしてみて下さい。

川根路の春の風物詩「家山の桜トンネル」は約1kmの桜並木

5月に近づくにつれて茶畑の緑がだんだんと濃くなっていく

コース概要


START:東名高速「焼津IC」 ➡ツーリングマップル関東甲信越 P.6 D-5 GOAL:寸又峡温泉 ➡ツーリングマップル関東甲信越 P.8 K-2 今回紹介するコースは、静岡県中部を流れる雄大な一級河川「大井川」 を、河口 から上流へとさかのぼるコース。河口の大井川漁港では静岡の春の味覚「桜えび」を味わい、家山では桜並木にうっとり。SLが見える露天風呂で温泉を楽しんで、さらに大井川上流へ走って秘境の温泉地「寸又峡温泉」へ。桜が咲く3月から新茶の時期まで春を存分に感じられるルートです。

1.スタートは東名高速の焼津 IC 。大井川河口を目指そう


今回のスタート地点は東名高速「焼津IC」 に設定。 首都圏からも中部・北陸エリアからもアクセス しやすいです。 焼津インターから大井川の河口までは30分ほどです。静岡の「春の味覚」と言えば桜エビ。桜エビと言えば由比漁港が全国的にも有名ですよね。でも大井川漁港も、桜エビの水揚げ港で知られる場所。漁港食堂で桜エビ料理をいただくのはどうでしょう?

大井川漁港にある漁協直営食堂「さくら」[ツーリングマップル関東甲信越 P.3 D-1/中部北陸 P.14 D-1]

駿河湾の味覚の「しらす」と「桜えび」のどちらも味わえる二色釜揚げ丼

「桜えび」のかき揚げもサクサクで絶品

2.「富士山静岡空港」近くのビュースポットから川根路の入口の町「金谷」へ


春の味覚を味わったら、大井川沿いに北へ進みます。茶畑が広がる高台の上に「富士山静岡空港」があり、飛行機の進入路沿いに「だいだらぼっち広場」[ツーリングマップル関東甲信越 P.3 B-1/中部北陸 P.14 B-1]があります。頭上を飛ぶ飛行機が迫力満点のビュースポットで、駿河湾の眺めも素晴らしいですよ。

駿河湾の眺望が楽しめる「だいだらぼっち広場」

飛行場の誘導灯のすぐ横。頭上を飛行機が飛んで行く

大井川への上流へと続く川根路の入口が金谷。旧東海道の宿場町で、対岸の島田には江戸時代の町並みが残る「大井川川越遺跡」があります。レトロな鐵道旅が体験できる大井川鐵道のSL列車は、2025年4月7日から「金谷駅」からの運行に変更されます。

レトロな雰囲気の大井川鐵道「新金谷駅」[ツーリングマップル関東甲信越 P.5 L-7/中部北陸 P.21 L-7]

駅舎内の「This is cafe 新金谷駅店」の「SLラテ」はSLのラテアートが素敵(画像引用:まっぷるウェブ)

新東名高速「島田金谷」インターに隣接したKADODE OOIGAWA[ツーリングマップル関東甲信越 P.5 K-6/中部北陸 P.21 K-6]は、広い直売所に飲食も揃った複合施設。緑茶B.I.Y.スタンドに掲示された、好みのお茶選びの参考になる「お茶の曼荼羅」がじつにユニーク。そして、大井川鐵道の「門出駅」とも繋がっていて、そちらにはSLが展示されています。

農産物から名産品までズラリと並ぶKADODE OOIGAWA マルシェ

味の濃、香り、季節などの組み合わせで好みのお茶を探せる「お茶の曼荼羅」

大井川鐵道の「門出駅」に保存されているSL

農家レストラン Da Mondeには通過する列車を見ながら過ごせるテラス席が。もちろんSLも見られます

門出駅のA STATION KIOSKのSLソフトDX。真っ黒!!

3.大井川と川根路を行く、走りやすさの県道 64 号か、 景観が良い国道 473 号か


金谷から北は、国道473号と県道64号の選択肢がある。大井川東岸の県道64号は2車線で交通量は多いがスムーズに走れる。西岸の国道473号は1.5車線の箇所が残り、カーブも多いが、高所を通るのでところどころで眺望が楽しめる。なかなか悩ましいが、国道473号の途中にある「家山の桜トンネル」[ツーリングマップル関東甲信越 P.5 J-4/中部北陸 P.21 J-4]が見ごろの時期は道が混み合うので県道64号がおすすめ。

島田市の市街地を通らずに国道473号と県道 64 号を往き来できる大井川水路橋。ただし、時間帯一方通行で夜間通行禁止。島田市のWEBサイトで確認してから利用しよう

旧川根町の中心地だった家山には桜スポットが点在。なかでも「家山の桜トンネル」が一番の見どころです。家山駅前にはライダーに人気の「寿園cafe」[ツーリングマップル関東甲信越 P.5 J-3/中部北陸 P.21 J-3]もあります。

混み合う時間を避けて桜のトンネルを走ってみよう

家山駅の目の前にある「寿園 Cafe」はライダーが多く集う

家山から北側の国道473号はさらに道が狭くなり、通行止も多いので、県道64号を走りましょう。道沿いには日帰り温泉がある「道の駅 川根温泉」[ツーリングマップル関東甲信越 P.5 J-3/中部北陸 P.21 J-3]や「塩郷の吊り橋」[ツーリングマップル関東甲信越 P.5 J-2/中部北陸 P.21 J-2]と休憩場所や見どころも多く、大井川の眺めも楽しめますよ。

鉄橋で大井川を渡るSL列車が見られる道の駅でもある「川根温泉 ふれあいの泉」の露天風呂。掛け流しの温泉も魅力(画像引用:まっぷるウェブ)

大井川と大井川鐵道の上に架かる「塩郷の吊り橋」。以前は走るSLを真上から見られるポイントだった

4.蛇行する大井川と何度も交差しながら南アルプスの麓へ分け入っていく


県道 64 号とは「塩郷の吊り橋」の先の下泉で分かれて、対岸の国道362号へ。だいぶ上流まで来ていますが、大井川はまだまだ河原が広くゆったりと流れています。 周辺はお茶の産地で茶畑があちらこちらにありますが、美味しいお茶をいただけるのが「道の駅 フォーレなかかわね茶茗館」[ツーリングマップル関東甲信越 P.8 K-5/中部北陸 P.29 K-5]です。

悠然と流れる大井川に沿って走る

道の駅「フォーレなかかわね茶茗館」(画像引用:まっぷるウェブ)

道の駅「フォーレなかかわね茶茗館」のお茶セット。お茶の美味しい入れ方も教えてもらえます(画像引用:まっぷるウェブ)

千頭駅前には道の駅「奥大井音戯の郷」[ツーリングマップル関東甲信越 P.8 L-4/中部北陸 P.29 L-4]や飲食店、土産物屋が集まっているので、ここでひと息入れていきましょう。なかでもcafeうえまる[ツーリングマップル関東甲信越 P.8 L-4/中部北陸 P.29 L-4]のダムカレーが人気。千頭駅にはSL資料館もあります。

cafeうえまるの長島ダムカレーは漫画『ゆるキャン△』にも登場した(画像引用:cafeうえまる)

千頭を過ぎるとぐっと山深くなって民家もまばらになります。 寸又峡へ行く前に、もう少し大井川を上流に走ってみましょう。トンネルをいくつか抜けると見えてくる巨大なダムが「長島ダム」。ダム近くを通る井川線のアプトいちしろ駅と長島ダム駅の間には国内唯一のアプト式の電車が運行されています。そして、ダム湖の中に浮かんでいるような駅が「奥大井湖上駅」[ツーリングマップル関東甲信越 P.9 A-2/中部北陸 P.30 A-2]。徒歩で歩いて行くこともできます。

高さ109mの重力式コンクリートダムの長島ダム。私にはロボットの顔のようにも見えるのですがどうでしょうか(画像引用:まっぷるウェブ)

接岨湖の岬の先端にある「奥大井湖上駅」。もちろん周囲に民家はありません

駅のホームの一部は鉄橋の上に

湖上駅そばの休憩所。週末には「湖上駅cafe 晴耕雨読」が営業

5.秘境の温泉地、寸又峡に到着!南アルプスの大自然を満喫しよう


来た道を戻って寸又峡を目指しましょう。ところどころにすれ違いが大変な狭い箇所があるので慎重に。 「こんな山奥に本当に温泉地がある?」 と思うほどの秘境感あふれる道を走ってたどり着くのが寸又峡温泉[ツーリングマップル関東甲信越 P.8 K-2/中部北陸 P.29 K-2]。温泉街入口にバイクを停めたら温泉街の散策を楽しみます。旅館のほかにカフェや土産物屋があり、公衆浴場の「町営露天風呂 美女づくりの湯」があります。

寸又峡温泉街入口にある二輪車の駐車場

寸又峡温泉の「町営露天風呂 美女づくりの湯」(画像引用:まっぷるウェブ)

そして、温泉街の最奥から遊歩道を30分ほど歩いた先にあるのが夢の吊り橋。長さ90m高さ8m、じつにスリリングですが、眼下に見えるコバルトブルーの水面がとても美しいです。

じつにスリリングな「夢の吊り橋」へは温泉街から往復1時間(画像引用:まっぷるウェブ)

6.宿泊情報


最後に宿泊情報です。今回紹介したスポット、がんばれば日帰りで巡ることもできますが、できれば一泊してゆっくりのんびり春を味わってみてはいかがでしょうか。 【ライダーハウスやおき】 今回紹介したコースのほぼ中間地点にある天空のライダーハウス。男女別のドミトリーです ➡ツーリングマップル関東甲信越 P.8 I-6/中部北陸 P.29 I-6

「ライダーハウスやおき」は川根路ツーリングに便利な立地

【くのわき親水公園】 「塩郷の吊り橋」近くにあるキャンプ場。広々としたサイトが心地よいです ➡ツーリングマップル関東甲信越 P.5 J-2/中部北陸 P.21 J-2

関連記事