2025.03.14

2025春の関西おすすめツーリングコース【1泊2日編】

もうすぐ春ですね。冬の間は乗れなかったけれど、そろそろオートバイで旅に出られるかなとソワソワ、ワクワクしていませんか?そこで、今年のツーリングシーズンスタートにおすすめの「春を感じられる」コースを、ツーリングマップル 各エリア取材担当者から紹介していただきます。 今回は関西の「2025春のおすすめルート」1泊2日編です。

著・滝野沢優子

「湖東・湖北の魅力を堪能」コース


琵琶湖一周、通称「ビワイチ」はライダーにとって憧れのツーリングコースです。とくに大津から木之本まで、琵琶湖東岸(地図で言うと琵琶湖の右側)を南北に走る「さざなみ街道」が素晴らしいのですが、琵琶湖周辺には、ほかにも多くの魅力があります。 近江八幡、彦根、長浜といった戦国武将ゆかりの町、関西の名峰「伊吹山」、天下分け目の戦いの地であった関ケ原、水郷「醒ヶ井」ほか、オススメスポットがたくさん。琵琶湖からちょっと離れてみるとさらにバリエーション豊かな旅ができますので、ぜひ1泊してゆっくり訪ねてみましょう。

琵琶湖沿いでも一番美しい風景に出会えるのが湖北。交通量も少なく湖水もきれい

長浜きっての観光スポット・黒壁スクエア

桜の名所の彦根城はライトアップもぜひ見ていこう

コース概要


START:近江大橋(大津市) ➡ツーリングマップル関西 P.46 G-2/中部北陸 P.16 G-2 GOAL:名神高速道路「米原IC」 ➡ツーリングマップル関西 P.67 F-5/中部北陸 P.37 F-5 琵琶湖の南端、大津市の近江大橋から湖岸のさざなみ街道を北上します。琵琶湖越しに比良山系を左手に望みながら走る、爽快で楽しいルートです。途中で近江八幡、彦根、長浜へ寄り道して、琵琶湖の北、木之本まで走ったら、少し離れて、伊吹山の麓を抜けて国道365号を南下しましょう。浅井氏ゆかりの小谷城、姉川古戦場、関ケ原など戦国ファンには垂涎のスポットが点在しているエリアです。また、この一帯は名水の里で、中山道の宿場町「醒ヶ井」には名水「居醒めの清水」が湧いていて、古来から旅人を癒してきた交通の要所です。

1.さざなみ街道を走って近江八幡へ


大津市内の近江大橋から、琵琶湖沿いにさざなみ街道を辿って近江八幡を目指します。北上するにつれて交通量も段々と少なくなって、快適走行ができます。 琵琶湖大橋を越えて、ホテルマリオットの向いにある、「第2なぎさ公園」[ツーリングマップル関西 P.56 H-4/中部北陸 P.24 H-4]内には「BIWAKO」の文字オブジェがあり、記念撮影にGOODです。

SNS映えする「BIWAKO」の文字オブジェ。バイクは入園できない

水郷の近江八幡では八幡堀の桜が美しいです。

近江八幡を代表する「八幡堀」[ツーリングマップル関西 P.56 L-3/中部北陸 P.24 L-3]。桜が満開を過ぎたころからは、川面を花びらが埋める花筏が美しい

街中では、ヴォーリズの建築や「飛び出し坊や」にも注目! 

旧八幡郵便局。近江八幡市内には近江兄弟社の創始者で建築家でもあるヴォーリズが設計した洋風建築が多く残っている

湖東は飛び出し坊やの発祥地。とくに近江八幡市内にはさまざまなバージョンのものが点在

織田信長ゆかりの安土や、近江商人発祥地「五箇荘」[ツーリングマップル関西 P.57 B-3/中部北陸 P.25 B-3]へ寄り道するのもおすすめ。

和菓子やバームクーヘンが人気の「たねや・クラブハリエ」のフラッグシップ店「ラコリーナ 近江八幡」[ツーリングマップル関西 P.56 L-3]。独特なデザインの建物が特徴でテーマパーク的な様相

近江商人屋敷が並ぶ、五箇荘の金堂地区。湧水を利用した用水路では鯉が悠々と泳いでいる

2.井伊家の城下町、彦根へ!


近江八幡からは、再びさざなみ街道に戻り、彦根を目指しましょう。琵琶湖を望む絶景カフェ「シャーレ水ヶ浜」[ツーリングマップル関西 P.56 K-2/中部北陸 P.24 K-2]、ビワイチの隠れた名所(というか、すでに超有名スポットですね)「あのベンチ」[ツーリングマップル関西 P.57 B-1/中部北陸 P.25 B-1]を過ぎると、ほどなくして彦根に到着です。

シャーレ水ヶ浜。人気のカフェなので休日は込み合う。展望のよいテラス席がおすすめ

映えスポットの「あのベンチ」。さざなみ街道よりさらに湖岸沿いの道にあるが、標識などはないので通り過ぎないよう注意

彦根には観光スポットが多いが、なかでも国宝の彦根城[ツーリングマップル関西 P.101 F-5/中部北陸 P.37 D-6]ははずせません。春には境内が1100本もの桜で埋まり一層華やかになります。ひこにゃんにも会えます。

日本国内の国宝に指定された5つの城のひとつ、彦根城。元祖ゆるキャラ「ひこにゃん」も出陣

中堀の石垣から溢れだすように咲く桜。ライトアップされた様子も素晴らしい

ひこにゃんのショー。会いたい人は彦根市のWEBサイトで出陣スケジュールを確認していこう

3.秀吉ゆかりのレトロモダンな長浜


琵琶湖東岸の長浜は、羽柴秀吉が初めて城持ち大名となって開いた城下町。門前町&北国街道の宿場町としても栄え、ノスタルジックな中にもモダンな雰囲気のある街並みが残っている。

北国街道の宿場町だった長浜。古い街並みに混じってレトロモダンな洋風建築も点在

長浜の郷土料理「焼き鯖そうめん」。市内の食堂などで食べられる

大人気店の「鳥喜多本店」[ツーリングマップル関西 P.101 F-3]の親子丼。出汁の効いた半熟卵の上に黄身が乗っている

長浜から北のさざなみ街道から見る琵琶湖の風景は秀逸です。夕日の時間がとくに美しくて素敵。長浜からは日本三弁天のある竹生島へ定期船が出ているので、時間があれば寄ってみましょう。

長浜市街からさざなみ街道を北上すると静かな琵琶湖の風景が見られる。湖上に浮かぶのは竹生島

4.湖北の要所「木之本」


賤ヶ岳(しずがたけ)の麓の木之本にも門前町&宿場町で古い街並みが残っている。こじんまりとした町だが、北国街道と北国脇往還の分岐点でもあり、昔も今も交通の要所として賑わっている。あまり観光地化されていない分、生活感があって落ち着いた雰囲気がいいのです。

木之本宿にて。レトロな薬の木製看板が並ぶのは元は薬屋さん

「つるやパン」[ツーリングマップル関西 P.78 C-6/中部北陸 P.48 C-6]の看板商品サラダパン。マヨネーズで味付けした刻みたくあんが挟んである。丸食パンにマヨネーズと魚肉ハムを挟んだサンドイッチも定番商品

5.湖北の歴史街道をゆく


木之本から関ケ原に続く国道365号(北国脇往還)沿いは、常に威風堂々とした伊吹山を眺めながら走れるのどかな田舎道ですが、浅井氏の本拠「小谷城」、姉川古戦場、関ケ原古戦場など戦国ファンならワクワクする歴史の舞台が周辺に点在しています。

小谷城(おだにじょう)があった小谷山の麓にある、浅井家の祈願寺「小谷寺(おだにじ)」

霊峰「伊吹山」と麓にあるヤマトタケルの像。山頂にも像がある。伊吹山ドライブウエイは4月19日から通行再開予定

浅井・朝倉軍と織田・徳川軍が戦った姉川古戦場[ツーリングマップル関西 P.67 F-2/中部北陸 P.37 F-2]。現在は桜が咲く平和な風景

のどかな田園風景の中に「決戦地」「石田三成陣跡」「徳川家康陣跡」など多くの歴史スポットが点在する関ヶ原

小谷城趾下にある茶褐色の湯「須賀谷(すがたに)温泉」、炭酸浴槽がある「あね川温泉」など、オススメの温泉もあるので、そちらものんびり楽しんでみたい。

あね川温泉は食堂もあり

小谷城の麓にある須賀谷温泉。戦国武将もここで湯治をしたといわれる。日帰り入浴については要問合せ

須賀谷温泉の内湯。茶褐色の湯はヒドロ炭酸鉄泉。湯は空気に触れると鉄分が酸化して茶褐色に変化する

こちらも須賀谷温泉。女湯の露天風呂「お市の湯」

6.名水の里の醒ヶ井を訪ねる


湖東は湧水の宝庫。あちこちに名水が湧いていますが、街並みと合わせて訪ねてほしいのが、中山道の宿場町「醒ヶ井」。平成の名水百選「居醒の清水」を源とする清流・地蔵川が街並みと並行して流れ、水とともに暮らす人々の生活が垣間見られます。5月以降なら清流にしか生息しない「梅花藻」の白い花が咲くんです。 醒ヶ井のあとは米原まで移動して、いよいよツーリングのラストラン。時間があればさらに南下して、湖東三山(三つの天台宗寺院、西明寺、金剛輪寺、百済寺の総称)を巡りながら東近江まで走ってもいいですよ。そして、ほかにもまだまだ隠れたオススメスポットがあるのですが、それはまたの機会にご紹介しますね!

醒ヶ井宿の中を流れる地蔵川。人々の生活用水として利用されている。地蔵川には他にも「十王水」「西行水」が湧出している

醒ヶ井宿にある老舗和菓子店・丁子屋製菓の「名水まんじゅう」。水色はソーダ味のこしあん。水に浮かんでいるのが「梅花藻」の花

7.宿泊情報


最後に宿泊情報です。春の琵琶湖を楽しむツーリングルート。一泊してゆっくりのんびり春を味わってみてはいかがでしょうか。 【北近江の湯】 ちょっと豪華な健康ランドという感じ。最大27時間滞在できるので簡易宿泊も可。個室やドミトリールームもあり ツーリングマップル➡関西 P.78 C-7/中部北陸 P.48 C-7

天然温泉の湯。浴槽の種類も多くサウナもある

宿泊者限定スペースにあるプライベートルーム(別料金)

ゆったりラウンジで過ごしてもOK。フリードリンク有

【ライダーズハウスいぶき】 伊吹山の麓、小さな集落にある居心地のよい古民家。オーナーは琵琶湖の漁師も兼業 ➡ツーリングマップル関西 P.67 G-3/中部北陸 P.37 G-3

広い玄関スペース。奥がキッチン、右が宿泊スペース。2階はオーナーの趣味スペース

オーナーの祖母の実家をリノベーション。奥にシャッター付きの車庫もある

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