2025.12.17

2025 中部北陸ツーリングBEST3─印象に残った絶景・グルメ・出会いを実走取材から振り返る

今年も残り一カ月を切りましたね。ツーリングマップル2026年度版、出版へ向けての作業も日に日に増えてきています。 さて、「ツーリングマップルは毎年取材しているんですか?」と良く聞かれますが、はい、その通りです。今年も取材担当者が担当エリアで実走取材を行いました。取材中には、言葉を失った絶景、ほっぺたがぽろぽろ落ちた絶品グルメ、思いがけない人や物事との邂逅などなど今年もいろいろありました。 というわけで、取材中に印象に残った出来事をお届けします。今回は中部北陸担当の内田さんの「印象に残った事ベスト3」です。

著・内田 一成

▶中部北陸  three memories◀


◆2026年度版の表紙を飾る「BMW R12G/S」 ◆中部北陸エリアの山城巡り【春日山城跡/荒砥城跡/神岡城】 ◆郡上八幡を散策

2026年度版の表紙は「BMW R12G/S」


今年の取材で、印象に残ったことのトップは、なんといっても取材の相棒になった「R12G/S」だ。個人的に「R1150GS」、「R1200GSADV」をかつて所有し、その後も歴代のGSを乗り継いできたが、このG/Sは80年代の「R80G/S」のオマージュとして、フロントテレスコピックのコンベンショナルなサスで登場。 リッターサイズのボクサーエンジンを感じさせない軽快な取り回しは、かつてBAJA1000で競った(ぶっ千切られたけど)BMWワークスマシンを彷彿させて、じつに気持ちよかった。

二輪メディアで18インチのエンデューロ仕様(GS スポーツ)の足つきが厳しいなんて書かれていたけれど、このノーマルの17インチモデルは足つきにはなんら問題がない。白馬にて、五竜岳を望む[ツーリングマップル中部北陸 P.109(関東甲信越 P.121) G-1]

燃える紅葉の戸隠のロードを軽快に走る。個人的にはテレレバーのしっとり感よりも、テレスコピックの路面応答性のほうが好きだ

「山城」を巡った今年の取材  


今年の取材で、個人的なテーマの一つとしたのが、主に戦国時代に築かれたアプローチしやすい山城に登って、戦国大名の視点を想像してみること。 今では城(城跡)のすぐ側までバイクで登れるところもあるが、中には、麓から登らなければならないところもあって、そういうところでは、こんなところを甲冑をつけた武士がほんとに登ったのかというくらいきついところも。あらためて、昔の人の健脚に恐れ入ったりした。

上杉謙信が築いた上越市の春日山城跡[ツーリングマップル中部北陸 P.103(関東甲信越 P.86) B-4]から上越市街を望む

千曲川を望む荒砥城跡[ツーリングマップル中部北陸 P.88(関東甲信越 P.60) L-4]。山城というよりも砦が再現されていて、ロケにもよく利用される

神岡城[ツーリングマップル中部北陸 P.78 L-2]から神岡の市街地を一望。奥飛騨の神岡といえば「カミオカンデ」で有名だが、ここは戦国時代から続く城下町で、その風情も残っている

インバウンドの喧騒から、少し外れて


コロナ禍以降、円安も手伝って、著名な観光地は吐き気を催すほどの混雑ぶりで、とても近づく気すら起きないが、今年は、近くに泊まったこともあって、郡上八幡市内をぶらりと散策してみた。 予想に反して、喧騒もなく、昔知っていた郡上八幡ののんびりした風情に浸ることができた。長良川の上流部が貫通する街は、川を渡る風が涼しく、酷暑のこの夏でも涼しい気分になれた。名水「宗祇水」で淹れたコーヒーも馥郁としてほっと一息。

郡上市街に湧く名水「宗祇水」[ツーリングマップル中部北陸 P.111 B-2]。長良川源流のこの水の恵みが、郡上八幡という街の清々しい雰囲気を作り出している

宗祇水脇の和風カフェ「宗祇庵」で、川面を眺めながら水まんじゅうと抹茶をいただく

これも宗祇水近くの珈琲焙煎所。地元出身の若い彼は、レゲエファンで、「来年の夏はカリブ海に行くんですよ」と嬉しそうにローストしたてのコーヒーをグラインドしてくれた

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