2026.03.02

【HONDA NC750X DCT インプレ】『ツーリングマップル関東甲信越2026年度版』実走取材で徹底チェック

ツーリングマップル2026年度版の実走取材で、実際に長期間にわたって走行した車輌の実走インプレッションをお届けします。 今回は、関東甲信越版取材担当、中村さんの視点からの「NC750X DCT 」のレポートです。撮影や取材で使って感じた乗り心地、積載性、燃費、取り回しはどうだったのでしょうか。早速どうぞ! ※掲載の情報は2026年2月現在のものです

著・中村聡一郎(フィネス)/撮影・巣山悟

1.車両インプレッション  1-1.ファーストインプレッション  1-2.実走しての所感  1-3.装備について  1-4.総評 2.車両紹介

1-1.ファーストインプレッション


2026年度版の実走取材で選んだのは、エンジン特製やスタイリングなどがツーリング向きと評判の「NC750X」の「DCT(Dual Clutch Transmission)」装備モデル。「DCT」があることで、「旅バイク」としてのポテンシャルがさらにアップしているのだろうか、と気になったのが選択の理由。 ちなみに私がDCT車に乗るのはこれが初めてではなく、2012年度版の取材・表紙撮影で、初のDCT装備車「VFR1200F」に乗ったのが初体験。 「おー、ギアが自動で変わる!」 と、新技術に驚いたのが懐かしい。

こちらは2010年に、二輪車として世界で初めてDCTが装備された「VFR1200F」

実際に車輌を見て、そして乗ってみると、ちょうど良いサイズ感。足つきも良好で取り回しも問題なさそう。 発進時には、ボタン操作でギアを一速に入れるだが、これが最初わからず戸惑った。ただ一度分かればその後は問題なく操作できる。メータの表示切り替えも、思ったよりもシンプルで、こちらもある程度操作することで覚えられた。

シャープな印象のボディライン。

タイヤは前後共に17インチ

ラゲッジスペースがあるため、前から見ると意外とボリューム感があるフロント周り。スクリーンも標準装備

シート高は800mm。身長180cmの自分だと、両足ともかかとまでしっかり着く

1-2.実走しての所感


乗る前は、DCT装備なので無段変速のスクーターに乗っている感覚に近いのかなと思っていた。しかし走り出してみれば、ギアチェンジの小気味良い音と感触で、実際に自分でシフトチェンジしているわけでは無いけれど、擬似的にそんな感覚を得ることができる。意外にも普段のオートバイと乗っている感覚は同じだった。 シフトチェンジのタイミングについては、ほとんど不満を感じることは無く、加速や減速にうまく合わせてくれる。ただ、下り坂のコーナーが長く続くようなシチュエーションでは、シフトダウンのタイミングがうまく合わず、エンジンブレーキが想定していないところでかかることも。そのため、状況によっては手動操作(MTモード)でのシフトチェンジも併用した。

DCTモデルのため、左側はステップのみ。「後ろから見ていると、左足が動かないのが不思議な感じですね」とは、巣山カメラマンの談

停車時はニュートラル状態のため、パーキングブレーキ付き。リアタイヤがロックされる

エンジンは予想していたとおり、トルク充分でフラットな出力で乗りやすい。とくに、渋滞時などの低速走行では、エンストの不安がないDCTのおかげもあって運転が楽だった。パワーも充分で、高速道路の巡航も問題なかった。 燃費は平均でリッター28km。こちらも排気量を考えるとたいへん良好だ。給油口がシート下なので、その度に荷物を下ろす手間はあるものの、基本的に給油は1日に一度で済むので、その点においても良かった。

パワーユニットは、745CCの水冷直列2気筒エンジン。トルク充分で非常に扱いやすい出力

給油口はシート後部の下に。そのため、荷物の積みかたによっては、給油の度に脱着が必要になる。オプションのリアキャリアを使うなど工夫が必要

1-3.装備について


NC750Xには、一般のオートバイでガソリンタンクがある位置に、大容量のラゲッジスペースが設けられている。日帰り程度の荷物なら十分収容できて、便利に使えた。また、表紙撮影中に、思わずいろいろ買ってしまった土産も、ここへしまうことができて助かった。 ETC2.0車載器やグリップヒーターといった、ツーリングで役立つ装備も標準装備されている。

車体中央に設置されたラゲッジボックスは23L。ETC2.0車載器と車載工具もここに

夏の走行だったので使うことは無かったが、グリップヒーターも標準装備

灯火類はすべてLED。ヘッドライトは明るさもだが、照射範囲も充分で、夜間走行も安心

フルカラーの液晶メーターは、スマートフォンアプリ「Honda RoadSync」で、スマートフォンと接続できる。実際にナビを連携させてみたが、シンプルな矢印だけの表示で地図は表示されない。そのため迷うことはあったが、メーターに表示される点は見やすくて良かった。 ただスマートフォンを使っていると、どうしても気になってくるのがバッテリーの残量。この点を考えると、純正アクセサリーで用意されている「USBソケット(Type-C)」は、標準装備にして欲しいとも感じた。

5.0インチTFTフルカラー液晶メーター。ライディングモードのイラスト表示が個人的に気に入ってしまった

メーターはアプリ「Honda RoadSync」でスマートフォンとの連携も可能

1-4.総評


シフトチェンジ操作が不要なDCTは、やはり便利だと実感した。停止と発進が連続する渋滞箇所や市街地では、ホントにラクだ。操作がひとつ減ることで、よりアクセルや車体の操縦に集中でき、安心感につながる。 ただ、シフトチェンジのタイミングは、どうしても普段の自分の運転とタイミングが違うことがあったので、ここだけは慣れが必要だとも感じた。とくに、勾配のあるワインディングでは、MTモードでシフトチェンジをするほうが個人的には走りやすかった。道や状況に応じた使い分けをするといいだろう。 パワーユニットも気負いなく、のんびり旅ができる出力特性で、車体サイズも自分にはピッタリだった。唯一、長期ツーリングを考えたときに、給油口の位置が荷物の積載に悩ましい場所なので、ここだけは工夫が必要かもしれない。

山梨県身延町、富士川のほとりの集落で夏らしい風景に出会う。背景の茅葺きの民家は「旧市川家住宅」[ツーリングマップル関東甲信越 P.16 I-4/中部北陸 P.42 I-4]

2.車両紹介


▶NC750X DCT

アドベンチャーライクなデザインのボディーに環境性能の高い745CCの2気筒エンジンを搭載。フルフェイスのヘルメットも収納可能なラゲッジボックスやグリップヒーター、ETC2.0車載器などツーリングに役立つ装備も充実している。

神奈川県「丹沢湖」の湖畔の外周路沿いのベンチでひと休み[ツーリングマップル関東甲信越 P.18 C-2/中部北陸 P.44 C-2]

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