2020.10.22

私を走らせるもの vol.8 関東甲信越編(1)

思い出の風景、季節の味覚、そして本や映画、音楽などなど、あなたを旅へと誘うものは何ですか? あの頃見た光景が忘れられなくて…。小説に出てきた風景を自分の目で見たくて…。この曲を聴くと無性に旅に出たくなってしまって…。あの人に逢いたくて…。など、時に切なく、時に衝動的に、私たちを旅へ駆り立てる「装置」があります。不思議なことに、ほかの人にとっては何でもないものが、自分にとってはとても大きな影響を与えることも少なくありません。そんな、「私を走らせるもの」について、ツーリングマップル著者陣に語っていただきます。

著・フィネス(清水聖児・中村総一郎)

~私を走らせる心揺さぶる風景 ~ by フィネス(清水聖児・中村総一郎)


「今日はどこへ行こうか」と思ったときに、目的地を決める理由はいろいろあるけど、やはり一番は「見たい風景がある」ですね。 というわけで、個人的な「オキニ」な場所を紹介します。 【三浦半島の田園風景】(関東甲信越20)

三浦半島の南端は、起伏のある丘陵地帯に畑が広がっています。とくに宮川公園の北にある岩堂山周辺からの眺めが見事なんです。海へ向かって傾斜して広がる畑、その海には城ヶ島と伊豆大島が浮かびます。 再建された「宮川公園」の2基の風車もいいアクセントに。少し視線を動かせば、房総半島も見ることができます。時間を忘れて、いつまでもぼーっと眺めていたい景色です。 【寺坂棚田】(関東甲信越121 D-6)

棚田と武甲山の眺めが魅力の場所ですが、それだけではありきたりな里山の景観だったかもしれません。そこにいい変化を加えているのが、麓のセメント工場です。 得てして、自然風景を愛でるときに、こういう人工物は嫌悪されることが多いのですが、ここではいい具合に景観に溶けこんでいて、違和感なし。個人的にもこの工場がなければ、ここまでこの風景に心を引かれることはなかったかな、と思います。 先日の関東甲信越版の表紙撮影で久しぶりに訪れたのですが、やはりここの眺めは心に響きますね。これから畔に曼珠沙華が咲く時期になるのですが、今年は訪問できるかなぁ。 【牛奥みはらしの丘】(関東甲信越37F-7)

甲府盆地の北側、「勝沼」・「塩山」をぐるっとまわっているのが「フルーツライン」。盆地を囲む、山の中腹を走るので、眺望が楽しめるルートです。 ビュースポットがいくつかあるのですが、私のお気に入りは「牛奥みはらしの丘」。塩山の市街地や、遠くには南アルプスまで望める場所です。 また、眼下の果樹園とその中を走る中央本線の列車の様子は、ジオラマを見ている気分になれます。 夜景もおすすめですよ。

ほかにもまだまだお気に入りの場所はあるのですが、機会があればまた紹介します!

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