2024.08.05

【考察】地図が読める男、地図が読めない女? 地図を読む1

みなさんこんにちは。地図やバイク界隈の気になるあれこれについて考察する記事シリーズ、今回は珍しく地図屋っぽい話題で(笑)「地図を読む」ことにフォーカスしてみたいと思います。さっそくいってみましょう!

著・編集部マスキ

地図読解力に性差はあるのか?


その昔(と言っても2000年ごろの話ですが)「話を聞かない男、地図が読めない女」という本が世界的ベストセラーになりました。読んだ方もいるかもしれません。この本では男女の脳の構造や機能の違いが、日常生活やコミュニケーションにどのような影響を与えているか、具体例をあげて紹介したり、対処法を説いたりしています。 その中でも、地図に絡む話、タイトルにもありますが、次のような話を記憶しています。人類は大昔から、男性が主に食料調達(狩猟)を、女性が主に家事を担ってきた。これが進化の過程で脳の構造に影響を与えた結果 ・男性は空間認識能力に優れ、地図を読むのが得意に ・女性は詳細を観察し、人や物の位置を記憶することが得意に (逆に言い換えると、男性は置いた物の位置を忘れやすい、女性は地図が読めないってことらしい) 「そういう脳構造」になっているんだとか。ふむむ。たしかに”地図が読めない女性”、”方向音痴の女性”って多いかもしれない。

太古からの、男女の役割の差が脳構造に影響を与えた・・?

「話を聞かない男、地図が読めない女」日本だけでもシリーズ累計380万部って、、すごい、、

ちょ待てよ!


…いや、そう思っちゃいそうなんだけどちょっと待って。確かに脳構造に性差があるのは事実らしい。だけどそれが、実際の行動や能力の違いに結び付けられるか、まではまだ、研究者の間でも意見の分かれるところで、科学的に証明はされていないそうなんですよ。「脳構造」なんて言葉が出てくると、「は~そういうもんか」って思っちゃうから注意が必要ですな。 でも冷静に考えてみれば、女性でも地図が読める人はたくさんいるし、男性でも地図が読めない人は多いですよね。僕も入社する前は地図なんて読めなかったし、いまだって…(お…?)。 それにカーナビやスマホのおかげで、地図が読めずとも、誰でも知らない土地へ行ける時代になりました。そのせいで男女関係なく、地図を読めない人が増えている、というデータもあります。つまり、地図が読める読めないは、脳の「性差」より「個人差」、「生まれ持ったものの差」よりも「経験・環境の差」の方が圧倒的に強いってことが言えそうです。

地図が読める女性って、かっこいいですよね!(っていうのも、偏見に基づいてるのかも…)

地図は使い続けることで読めるようになる


そもそも地図は、読むのにある程度の慣れ(大げさに言えば訓練)が必要なんですよね。載っている情報が膨大だから、ただ漫然と見ていても、そこからなにも情報をキャッチできない。 初心者が初めて道路地図なんかを見ると、色も文字も線も「ごちゃごちゃ!ぶわわー!」ってしてて、目がビックリしちゃう。その第一印象で「私は地図が苦手なんだ」って思いこみ、拒絶しちゃう人が実はめちゃめちゃ多いのです。 だけど仕事や趣味で使う必要にさらされると、最初は分らなくても何度か使っているうちだんだん慣れてきて、やがて自分で自分に必要な情報が、うまく読み取れるようになってくるのです。 男女に「地図読解力の差」があるとすれば、それは単に“地図を使う機会”が男性の方に多かったせい、ではないでしょうか。最近はそんなことないのですが、かつては「仕事は男」「家事は女」だったし、旅行やデートでも「運転するのは男」というのが一般的だった。そういう環境では必然、地図を使う機会は男性の方が圧倒的に多くなる。地図は、使うほど読めるようになるのだから、結果、地図を読める人も男性の方が多くなる。これが「地図が読めない女」の真相ではないでしょうか。 脳構造の性差なんて関係ないのです。たぶん。

地図を読むにはある程度の訓練が必要(めんどくさいけどね)

「女より男の方が地図が読める」というイメージは、単に男性の方が地図を使うシーンが多かっただけ

地図から情報を得るコツ


というわけで、安心してください。地図を読むのに特別な才能も、男性的脳構造も要りません。ただ使い、慣れるのみです。といっても、一発目にあの”ごちゃごちゃパンチ”を食らっちゃうと、なかなかもう一度地図を開く気にはなれないですよね。そこで、地図読みのポイントを紹介します。ポイントを押さえて向き合えば、地図のきもちもなんとなくわかってくるってもんです。

分かる気がしないが

地図を読むポイント 人間の目ってすごいねん!


ちょっと長くなってきたので、具体的な地図読みのポイントは次回!…と言いたいところですが、せっかくなのでまずは一番カンタンな部分を紹介したいと思います。 さっきも書きましたが、地図ってたいてい情報が膨大すぎて、目がどこを見ていいか分からなくて、拒絶反応が出ちゃうんですよね。そういう時は、地図を無視するに限ります。無視って言っても、地図を全く見ないんじゃなくて、「必要な項目以外を無視する」ってこと。 人間の目って、めちゃくちゃ優秀なんですよ。例えばツーリングマップルを開いて、「赤いものだけを見るんだ」って意識して、見てみてください。すると赤い道路や、赤いコメントだけが浮かんで(強調されて)見えてくるんです。焦点を絞るんですね。カメラのレンズで特定のものにピントを合わせるのと同じような感覚です。カメラレンズの場合、実際は「特定のもの」じゃなく「特定の距離」にピントを合わてるんですが(とか言うと専門家の方からは怒られそうだけど)、人間の目は、同じ距離にあるものでも、見る・見ないをある程度選択できるんです。それも瞬時に切り替えることもできる。 「見たいものだけを見る」逆に言うと「見たくないものは見ない」。これが地図を見るときには有効なんです。というかこれしないとしんどいです。 ですが、その「見たいもの」が何か「見たくないもの」が何か、というのがそもそも判別できないんだよ!って方には、次回、より詳細なポイントをお伝えしますので、そちらを読んでくださいね。

通常の地図

赤色に集中してみる(イメージ)

なんか哲学っぽいな・・

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