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2025.10.10
【旅人注意!】レジ袋所持で罰金600万円!?禁固4年!?海外で郷に従う重要性!
旅の荷物に、レジ袋を1枚。 それが“犯罪”になる国があることを、あなたは知っていますか? ケニアで定められた「レジ袋全面禁止法」は、罰金600万円・禁固4年という世界最強クラスの環境規制。その背景と、旅人が気をつけるべきことを考察します。
海外ツーリングの見送りに行ったら“ヤバすぎる話”を聞いた
ちょうど先日、ツーリングマップル東北担当のカソリさんがアフリカ縦断ツーリングに行くというので、成田空港へ見送りに行ったのですが、そこでツアー主催の道祖神スタッフさんや参加者の皆さんの間で、入念に確認されていたことがありました。これがとても衝撃的な話で気になったので、ちょっとここで紹介したいと思います。

成田空港で持ち物確認をする一行。忘れ物と「持って行ってはいけないもの」をチェック
国によって法律は違う。世界は想像以上に“禁止だらけ”
日本には日本の法律があります。外国にはその国の法律があります。当たり前のことですが、「え!?そんな厳しいの!?」と知ってびっくりするようなことも少なくないですよね。法律(刑法)って自分が「常識的に考えてアカンやろ」ってことが禁止されているものと思いがちですが、その常識や、常識のレベルは国によって違うわけです。 例えばシンガポールでは景観美化のため、ごみのポイ捨てが禁止されている(罰金20万円以上)ことはよく知られていますが、同様の理由で「ガム」も禁止されています。製造・販売・持ち込みいずれもダメ。違反すると最大で10000シンガポールドル(100万円以上)が課されることがあるそうです。シンガポールに行く際にはガムは持っていかない方がいいですね。

たかがガムで罰金はイヤですよね…
ケニアに行く前にレジ袋は捨てて!
さて、冒頭の話に戻って、今回の賀曽利さんが走るアフリカツアーは、最初にケニア・ナイロビに着くことになります。そのケニアで禁止されているのがプラスチック製品です。ビニール製のいわゆる「レジ袋」を皮切りに、使い捨てのプラスチック製品が製造から使用まで全面禁止となっているそうです。これは、野生動物や家畜が誤って食べて死んでしまったり、排水システムの詰まりの原因になったり、それがもとで洪水が起きたり、害虫や感染症が拡大したり、様々な環境汚染が深刻になったことが背景にあると言われています。 驚くべきは、違反した場合の罰則の厳しさで、最高で4万ドル(現在のレートだと600万円以上!?)または4年の禁固刑が科されるとのこと。旅行の時って、レジ袋なんてよく使うものですが、それが見つかって600万以上払う羽目になったら、やってられないですよね…。 実際に「観光客が取り締まられた」というニュースは残念ながら(いや幸いなことにか…)確認できませんでした。ただその裏にはまたウワサがあって、現地当局に指摘されても、基本的にはみんな賄賂を払って見逃してもらってる、なんて話も(1万円くらいで手打ちにしてくれるとか…それでもツラいけど)。あくまでウワサですよ。

5円のレジ袋で600万円…そりゃあ怖すぎる
ギネスにも登録される厳しさ。だが・・!
この厳しすぎる法律、あまりの厳しさになんと「最も厳しいプラスチック袋の罰則」としてギネス記録にも登録されているほど。さすがにケニア国内でも、プラスチック製品製造業者の雇用が失われたとか、貧困層が多い中でこのような法律が本当に正しいのか、とか賛否あるようで、またいずれ変更されるかもしれませんね。 ちなみに、ビニールの袋と言ってもジップロックのような、繰り返し利用できるものに関しては禁止されていないといわれていますし、国に申請することで例外的に製造・販売・使用を許可されている製品もあるようです(食料品の包装など)。「でもレジ袋だって繰り返し使えるじゃん!」って駄々をこねても無駄です。郷に入りては郷に従いましょう。アフリカツーリングに行かれる皆さんも、チェックイン前に「使い捨てっぽい」ビニールは捨てていました。

これはギネスビール
知らなかったでは済まない。旅人にできることは?
そんなわけで、海外ツーリング・旅行に行くときには、事前に行先の国で禁止されていることもしっかり調べておきましょうね。一度行ったことのある国でも、最近法律ができた、変わった、なんてこともあります。最新事情を仕入れましょう。 「海外?ケニア?そんなとこ行かないよ」という方もいそうですが、この記事で本当に言いたいのはそういうことじゃなくてですね。ケニアであれ、国内であれ、旅先では法律だけじゃなく、マナーを含め現地文化への理解・配慮も大事ってことです。実はツーリングマップルの中にも書いているのですが、「俺らの非日常は、誰かの日常」なんですよ。 ぼくらはいつも、日常とは違う風景や味、香りといった「非日常体験」を楽しませてもらっていますが、当然そこで生活をしている人もいるわけで、その人たちの日常をぶち壊すような行為をしたり、リスペクトを欠いた言動はしちゃだめってことです。知らないうちに相手を傷つけていたり、不快にさせていることは、いつでもどこでも、あり得ることですから。それによって自分が糾弾されたり、罰則を科されても、そりゃ仕方ないよねって話。 だから旅先では、あくまで謙虚にいたいものですね。

人がいなけりゃいいだろってもんでもないのです
賀曽利のアフリカ縦断ツーリング記事はこちら
現在、賀曽利さんはアフリカ縦断ツーリングの真っ最中ですが、2013年に行われたアフリカ縦断の記事をアップ中です。そちらも併せてお読みください👇