2026.10.07

ナビがない時代に出来ていたこと、持てていた幸せ。――効率重視の時代に、あえて「紙の地図」を開く理由

社会人になってすぐのころ、月末の金曜夜は梅田のタワレコへ行くことを習慣にしていた。仕事が終わって20時ころに会社を出る。JR新大阪駅からひと駅乗って大阪駅へ。そこから歩いて5分ほど。「NU茶屋町」に着き、エレベーターで上階へ行くとタワーレコードがある。 最新のランキングから、店員さんのセレクト、インディーズ、ジャンルもさまざまに試聴機で気になったものを片っ端から聴き、新しい出会いにドキドキしたり、おおっとつぶやいたり。試聴できないけど気になるCDのジャケットを見てウロウロ。閉店ぎりぎりまで居座って、最後にカゴをレジへと持って行く。カードにポイントがたまるのが嬉しかった。 帰りは近くでお気に入りのラーメン屋に寄り、新快速に乗って京都へ帰る。気持ちはホクホク。気に入ったアーティストがいれば帰宅してライブ情報を調べたりもした。1か月がんばった自分へのご褒美として、こんな日を設けていたのだ。今思えば、とても素敵な時間だった気がする。 …という習慣をふと思い出し、懐かしく感じた今日この頃。ツーリングマップル編集部のマスキです。実はこの『CDを探すワクワク』と『地図を開く楽しさ』、『バイクに乗る気持ちよさ』には共通点があるんじゃないかというのが今回の記事です。

著・編集長マスキ

 


 

今も自宅に残るCDたちをどうしたものか…

ラクをとったら幸せが消えてしまった・・


今や音楽を聴くスタイルはストリーミングが全盛になってしまった。かくいう僕も、最後にCDを買った記憶はおぼろげだ。たぶん「ニーア・レプリカント」というゲームのサントラCDを買った時で、もう何年前だったかも思い出せない。しかも買ったのは残念ながらタワレコではなくAmazonか楽天BOOKSだったと思う。 CDを買わなくなった。タワレコにも行かない。寂しいけれど、よりラクで優れたものがあれば、人間はそっちを選んでしまうものだ。そしてあの幸せな空間と時間は消えてしまった・・。 カメラはフィルムからデジタルへ、イヤホンは有線から無線へ、新聞はネットニュースへ、変遷は進む。 紙地図だってそう。カーナビやスマホのナビアプリが登場して以降、紙地図の売上は激減した。「目的地へ行く」にあたっては、地図はナビに勝ちようがない。 「ラク」や「便利」な道には抗えない。だが行き過ぎると気づく。幸せは、不便さの中にこそあったということに。

あのころよく黄色い袋が家にたまってたな(イメージ)

人はなぜ、わざわざ不便な『バイク』に乗るのか?


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