2020.06.15

ツーリング前に知っておきたい!「あの映画・小説はココで生まれた」vol.14

漫画やアニメ、映画やドラマ、小説、歴史的事件などの舞台を旅する「聖地巡礼」がメジャーになってきた昨今。物語の舞台になった場所は日本中にたくさんありますが、案外、そのことを知らずにツーリングで訪れて満足していることも多いものです。 せっかく行くなら、その土地にちなんだ作品を鑑賞したり、歴史を知ったりしたうえで行ったほうが、何倍も楽しめますよね!そんな作品や歴史、土地について、ツーリングマップル各著者から紹介していもらいます!気になった作品を見て、その場所を訪れてみましょう!

著・博田巌

映画「UDON」の舞台 by 博田巌(中国・四国担当)


今回は、2006年に公開された映画「UDON」を紹介します。

「讃岐富士」の異名を持つ飯野山を望む、ため池のほとりで営まれている小さな製麺所。その製麺所の息子、ユースケ・サンタマリア演じる主人公、香助。 「ここには夢なんかない。ただうどんがあるだけや」 と吐き捨て、お笑いの世界を志し渡米したものの、夢半ばで故郷に帰ってきます。それがひょんなきっかけで、地元のタウン情報誌編集部で働きだすことに。 そしてこの編集部の仲間と共に始めた「うどん巡礼記」が大人気になり、全国に讃岐うどんブームが巻き起こります。 その後、仲たがいしていたうどん一筋だった父親の急死を受け、香助は自らうどん作りに奔放していく… といったストーリーを、コメディータッチでユーモラスに描いた映画作品です。 モチーフにされたのは、実際に『恐るべきさぬきうどん』で、讃岐うどんブームの仕掛人として、県下各地の様々なうどん店を紹介した「麺通団」の活動。なので、 「なるほど。讃岐うどんブームはこうして始まったのか」 というのがリアルに感じられます。作中、うどん巡りで訪れる実在のお店の様子には、思わず 「行ってみたい!食べたい!」 と思わせる臨場感が味わえますね。 今でこそ、はなまるうどんや丸亀製麺をはじめとした、セルフうどんチェーン店が全国に展開されて、身近になり、戸惑うことも少なくなりましたよね。かつて「お店ごとに違う注文方法」にドギマギしながらうどん巡りをしたのが懐かしく思い出されます。 それでは、映画の中で出てきたり、モデルにされたりした関連のお店を少し紹介します。 おすすめのうどん店 【上戸(中国四国70K-3)】 箕浦駅の駅舎の一角、海とホームに挟まれたロケーション!気さくな大将と常連客の軽妙なやり取りも楽しいです。ここで朝うどんを食べて、実走取材に出掛けるのを楽しみにしていたんですが、営業時間が9時~に変更になってしまいました。他のうどん店で食べるときには、ここの味と比べてしまう美味しさ。自分の中の讃岐うどんの基準店です。 【やまうち(中国四国59E-6)】 まんのう町の山の中、こんな所に!?という驚きは、うどん巡りならではの楽しさですね。「あつあつ」「ひやあつ」「ひやひや」などあの独特のメニュー表記にも出会えます。ちなみにこの記事の冒頭に載せているのがやまうちうどんさんのうどんです。 【山越うどん(中国四国59H-4)】 半熟卵にツヤのある麺が絶妙に絡み合う、讃岐うどんの代名詞ともいえる「かまたま」の発祥店。映画の中では「讃岐うどんブームの象徴」として大行列の出来たお店です。今も行列に並んでも食べたくなる美味しさ。 【日の出製麺所(中国四国59F-1)】 映画では、「食べ損ねる」場面で出てきます。実際にお昼の1時間しか(!)提供されない、讃岐うどん店の様々な形態の面白さを楽しめるお店。製麺所だけに麺の美味しさは格別ですよ!! うどんめぐりにでかけよう! 近年は休日になると、県外からのお客さんが有名店に押し寄せて、行列の出来る風景が日常になりました。 取材では並ぶ時間がもったいなく、なかなかそういうお店には行けませんが、「UDON」を再び観て、またうどん巡りをしたくなりました。 そこで、『麺通団推薦 讃岐うどん巡り入門コース』に今年は出掛けてみようかと思っています。 「モーターサイクリスト」2020年4月号に、そんな楽しい『讃岐うどん巡礼』と、合わせて訪れたい香川県・瀬戸内の美しい風景を紹介した「うどん&美景巡り」を寄稿していますので、よかったらバックナンバーを手に入れて、是非ご覧くださいね。 最後にうどん巡りの参考になるwebサイトを紹介します!

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