2021.06.21

『HOKKAIDER BASE(ホッカイダー・ベース)』物語 Vol.1

ツーリングマップル北海道を長年にわたり担当している小原さん。 今や「HOKKAIDER」として、北の大地を目指すライダーのカリスマ的存在ですが、2021年7月1日にライダーの立寄りどころとなる「HOKKAIDER BASE」を旭川市にオープン予定です。 そのオープンまでの道のりと、「HOKKAIDER BASE」が今後目指すものを、全2回で語っていただきます。 ※画像提供:『OutRider』

著・小原信好

「HOKKAIDER BASE(ホッカイダー・ベース)」とは、『ツーリングマップル北海道』を担当するカメラマン小原信好が、北海道の中心地である旭川市に「北海道旅人情報基地」としてオープンするギャラリーカフェ。現在、7月1日(木曜)の開店を目指して、絶賛工事中である。 自身が撮影した北海道的絶景写真が展示された店内では、オリジナルグッズを販売。最新の北海道情報の提供や旅の情報交換、コーヒーを飲みながら休憩など、北の大地を旅するライダー達のオアシス的な存在のカフェを目指している。 その「HOKKAIDER BASE」は以前、ライダー達に人気だった「モーターサイクルカフェ タイム・トンネル」だった。2005年〜2013年までライダーハウスも併設していたので、お世話になった旅ライダー達も多いはず。そのお店を私が譲り受けて、新たな物語が始まったところなのだ。その経緯や、これから、このお店で始まる出来事を紹介したいと思う。 1997年、『ツーリングマップル北海道』の取材担当になったばかりの頃、取材中に国道237号を旭川から美瑛に向かっていると、旭川市西神楽で神楽神社前の民家を改装している光景が目に止まった。「見学OK」の看板があったので、Uターンして敷地内へ。1987年に「旭川医大病院」前にオープンしたカフェ「タイム・トンネル」が、西神楽に移転するため、離農した民家跡を地元のライダー仲間達と一緒に、リノベーションをしている最中だった。

在りし日のモーターサイクルカフェ タイム・トンネル

保冷車を改造したライダーハウス。露天風呂もあった

出迎えてくれたのがマスターの浦洋一さん。クラシックバイクの収集家としても有名だった。 「旭川医大病院」前にあった時代に、一度だけ訪れたことがあった。ゆっくりと、そしてしっかりとしたペースの話しをする浦マスター。聴いているうちに、いつもセカセカしている自分もやがて落ち着き、ゆったりとした気分になっていく。そんな居心地の良いカフェが、もっとライダー達が立ち寄りやすくするために、新たな場所を作り出そうとしていたのだ。 「完成したら、また来ます。『ツーリンングマップル北海道』への掲載もよろしくお願いします」と言うと、 「わかった。また来て。気をつけて走るんだぞ」と、 笑顔で見送ってくれた。

そして、1998年の夏、完成してオープンした「モーターサイクルカフェ タイム・トンネル」を訪れた。カントリー調の雰囲気抜群のお店になっていて、ビンテージバイクが何台も展示されていた。 「カッコイイ!!」 店内を見てそう思った。

カントリー調の店内に何台ものビンテージバイクが

浦マスターのセンスが凝縮されたカウンター

人気メニューのボリューム満点の「スペシャルドリア」と、食後に美味しいコーヒーを飲みながら、浦マスターと旅、バイクの話を楽しむ心地良い時間。この時から、毎年、一回は「タイム・トンネル」を訪れる事となる。

ハンバーグがどーん!と乗った「スペシャルドリア」

当時の店のイメージが良く伝わる、ホームページに書かれていたメッセージ(抜粋)を記しておく。 そして幾つもの単車メーカーが活動を停止した…。 今、時代と共に消え去った名車を語りながら 熱い珈琲を飲み、空腹を満たし 懐かしいカントリーやブルーグラスを聴きながら 話は終わらない… この「タイム・トンネル」が「HOKKAIDER BASE」になる経緯は次回の後編にて。