2021.12.10

ツーリングマップル2022年度版 撮影旅日記【関西(後編)】

ツーリングマップルの撮影旅日記、関西編の後編をお届けします

著・滝野沢優子/撮影・治武靖明・滝野沢優子

<表紙撮影2日目>


9月2日。朝、外を見ると、案の定どんよりした雲が広がっている。今にも雨が降り出しそうな空模様だが、今日の撮影地・湯の峰温泉と熊野古道は山間にあるため、快晴だと陰影がくっきりしてしまうので、曇天のほうがかえっていいそうだ。 海沿いの国道42号線を新宮市まで走り、そこから熊野川沿いに国道168号線を進む。天気がいい日なら青い海や清流を眺めながら爽快に走れるのだが…。 それでも雨に遭わずに湯の峰温泉に到着。夏休みが終わったばかりの平日だからか、観光客が全然いない。撮影するには好都合だったが、なんだかさみしい。いつもは順番待ちのつぼ湯(ツーリングマップル関西100G-5)にも誰もいない。撮影じゃなかったらゆっくり入っていくんだけどなあ。

夏休みが終わったばかりの湯の峰温泉はひっそり。こんなに静かな湯の峰温泉は初めてかも。共同湯は2022年春頃までリニューアル工事中

大和八木から十津川村を経由し、新宮までを繋ぐ八木新宮特急バス。169.8㎞と日本一長い距離を走る路線バスとして知られる

湯の峰温泉をあとに、国道311号を西へ。ここは熊野古道中辺路と並行しながら紀伊半島を横断する南紀のメインルート。 と言っても、国道だけ走っても熊野古道の雰囲気はわかりにくい。バイクで気軽にアクセスできる熊野古道らしいスポットは、小広峠の東にあるとがの木茶屋(ツーリングマップル関西4K-3)と野中の清水(ツーリングマップル関西4J-3)。ただし、旧道は狭いうえに古道歩きの人もいるのでゆっくり走行しよう。 ここまではなんとか雨具を着なくても大丈夫だったが、近露あたりでとうとう雨が本降りになってしまった。道の駅熊野古道中辺路へ逃げ込み、昼食を食べていると、1時間ほどで雨が上がったので白浜へ向けて出発。雨よ、どうかもう降らないで~。

熊野古道中辺路の野中の清水。天気は曇りで少し前まで雨が降っていたものの、一瞬だけ陽が出て木々の緑に映える

熊野古道・中辺路のとがの木茶屋。茅葺屋根で古道の雰囲気たっぷり。無料休憩所&観光案内所になっている

熊野古道のシンボル、牛馬童子像。本物は箸折峠の林中に鎮座しているが、レプリカもいくつか点在している。これもその一つで道の駅熊野古道中辺路(ツーリングマップル関西4I-3)のオリジナルバージョン

道の駅熊野古道中辺路でランチ。鮎のひつまぶし丼(850円)。美味しい!

道の駅ではコレも購入、ほんぐうの名物、ピリ辛のこんにゃくいなりも入ったご当地寿司セット360円。左からめはりずし、こんにゃくいなり、鯖寿司

願いが通じたのか白浜では雲も薄くなってきたものの、青空が出ないと撮影には厳しい。千畳敷ならなんとかなるかと行ってみるも、やはり空は白く海の色も鈍い。 もう今日は撮影はムリと判断し、治武カメラマンとはここでまた別行動になった。まだ日没まで時間もあるし、1人でブラブラ白浜をのんびり回り、女子旅らしく、スイーツ三昧。 それにしても、さすが関西を代表するリゾート・白浜。観光客も多い。それも大学生くらいの若い人たちがグループで来ているので賑やかだ。 この日の宿泊は国民宿舎紀州路みなべ(ツーリングマップル関西4A-5)。バイクを屋根付きスペースに止められるし、高台にあるので展望もいい。部屋もオーシャンビューで、晴れていれば水平線に沈む夕日が美しい、らしい。

白浜・千畳敷(ツーリングマップル関西100A-6)にある千畳茶屋のみかんもりもりソフト540円。名前通り、みかんたっぷり。ほかにもここならではのフルーツソフトがたくさん

白浜銘菓「かげろう」の製造販売元・福菱の本店カフェにて。日持ちがしないので、ここでしか食べられない、生かげろう。プレーンな生かげろうは1本100円。マンゴー180円、カフェ限定のコーンフレーク入り120円。フワ、サクッの食感がタマリマセン♡

白浜・白良浜は真っ白な砂浜とヤシの木がトロピカル!日本じゃないみたい。学生さんらしき若者がたくさん居ました。楽しそう!

皮肉なことに、治武カメラマンと別行動になったら、晴れ間が!とりあえず三脚立ててセルフ撮影してみた!

<表紙撮影3日目>


9月3日、撮影最終日。 曇天の中を湯浅まで北上。海辺での撮影はあきらめて、撮影スポットを湯浅に絞る。 醤油蔵のある古い街並みが残り、ここも撮影には晴天時より曇りの日がよいとのことだが、生憎の雨。それでも小雨になった頃合いを見ながら、撮影を開始する。 下見をした治武カメラマンが撮影スポットとして選んだ「甚風呂」はなかなかいい感じで、クラシックなスタイルのメグロとの相性もバツグン。 その後、いよいよ雨が降り出したので、名物のしらす丼を食べて、撮影終了。 治武カメラマン、お疲れ様でした~!

醤油の町・湯浅。到着した途端、雨。開店前の湯浅美味いもん蔵で雨待ちさせてもらう。治武カメラマンは傘をさしてロケハンへ

雨が小止みになったので、湯浅の街で撮影。甚風呂の前にて。自動車は通れない細い路地にある

「甚風呂」は銭湯跡歴史資料館として公開されている。明治、大正、昭和の時代に実際に使われていた銭湯で、手回し電話機や振り子時計ほか、古民具などを展示している。昭和の暮らしを再現したコーナーなど見ごたえあり

湯浅名物・しらす丼。JR湯浅駅前のかどや食堂にて。しらす丼とうどんの定食で780円

<私が選んだ表紙写真ならコレ!>


今年の撮影画像から2022年度版表紙にするならこれでしょう、という2枚を選んでみました。

定番の撮影ポイント・橋杭岩(ツーリングマップル関西2B-6)だけど、縦位置でやや俯瞰気味に撮った構図は新鮮。真っ青な空ではないけれど、雲の感じもいい

熊野古道中辺路・野中の清水(ツーリングマップル関西4J-3)。赤い橋の欄干と樹々の緑が美しい。雨天なのにこんなに明るく撮れたのはスゴイ

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