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Report
2023.04.19
ソロキャンプツーリング フィールドガイド Vol.1[つくばねオートキャンプ場(茨城県)]
ここ数年のバイクブーム、キャンプブームには多種多様な展開が見られる。 キャンプ場の様子を見てみると、実にさまざまなテントやキャンプ用品が並び、まるでキャンプ用品の見本市のようだ。ツーリングマップル初期(1997年~)、キャンプをしながら取材をしていた頃は、モンベルのムーンライトやダンロップのRシリーズをはじめ、山岳用テントを使っているライダーがほとんどだった。それが今ではモノポールテントやパップテントを多く見かけるようになった。 キャンプ場にも変化が見られる。バイクに限らず「ソロキャンパー」が増えていることから、ソロ用・バイク用サイトの増設や、ソロ料金・バイク料金を設定するキャンプ場が増えているのだ。 そこでこのシリーズでは、ツーリングキャンプ、ソロキャンプにおすすめのキャンプ場を、実際に泊った上でライダー目線で紹介していこう。キャンプ場の紹介だけではつまらないので、キャンプ場周辺のおすすめ立ち寄りスポットなどについても併せてお伝えしたい。 まずは第一弾として、筑波山のつくばねオートキャンプ場へでかけてきた。 (取材日:2023年4月3~4日)
キャンプ場へは一部未舗装の林道でアクセス
つくばねオートキャンプ場は筑波山麓にあり、東京から行く場合は常磐道の土浦北ICが最寄りのICとなる。車なら土浦北ICから約18km、30分程度で行けるが、バイクで行く場合はキャンプ場へのアクセス道の一部が自動二輪車通行禁止区間となっているため、筑波高原キャンプ場経由で遠回りをすることになる。しかも林道を通らなければならず、一部未舗装で道幅も狭いため注意が必要だ。 そのため、土浦北ICからバイクの場合は約30km、50分ほどのアクセス。オフロードライダーには楽しめるかもしれないが、大型バイクで荷物満載だと状況によってはちょっと厳しい感じだ。とはいえ利用当日にいたライダーに聞いてみると、キャンプ場まで二輪車通行禁止区間を走ってきたようだった。知ってか知らずかわからないが、意外とバイクでも車と同じアクセスで来るライダーも多いようだ。
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筑波高原キャンプ場の駐車場から先、国民宿舎跡地までの約3㎞は完全ダート
Pick Up! 周辺情報
1.小貝川と菜の花と筑波山 2.真壁の町並み 3.西岡本店
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1.小貝川と菜の花と筑波山
利根川の支流のなかで第二の長さを誇る小貝川。その河川沿いには菜の花や桜のお花見スポットも多い。例年、桜は3月中旬から4月上旬、菜の花は3月下旬から5月上旬が見ごろとなる。訪問時は桜の花はすでに散りかけていたが、菜の花はちょうど見ごろを迎えていた。 今回は下妻市にある小貝川ふれあい公園の駐車場にバイクをとめて、そこから歩行者・自転車専用道路で上流にかかる小貝大橋まで歩いて、土手に咲く菜の花を見てきた。筑波山をバックに菜の花が咲く人気の撮影スポットでもある。 ツーリングマップル➡関東甲信越57F-6
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筑波山をバックに鮮やかな黄色の菜の花が咲き誇る。ブラボー!
2.真壁の町並み
桜川市真壁は江戸時代から明治・大正にかけて、この地方の文化・産業の中心地として栄え、商家が建てた見世蔵や土蔵、門などが今も残り、古い街並みを形成している。現在、102棟が国の登録有形文化財になっており、2010年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された。 ツーリングマップル➡関東甲信越57J-3
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真壁の市街地には300余棟を数える古式を保つ建物が点在する
3.西岡本店
真壁にある1782(天明2)年創業の酒蔵。代表銘柄は「花の井」。店舗・脇蔵は明治初期、米蔵は明治末期に建てられ、国の登録有形文化財に指定されている。売店ではここの蔵で造られたすべての商品を購入できる。今宵のキャンプで飲む酒ももちろんこちらの酒蔵で購入。 ツーリングマップル➡関東甲信越57I-3
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真壁の町で真っ先に立ち寄った酒蔵の建物群、西岡本店
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ここでしか買えないコラボ商品や季節限定商品もある
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季節限定!花の井しぼりたて生原酒で至福のキャンプだ
【キャンプ場情報】
つくばねオートキャンプ場にはオートサイト、フリーサイト、日帰り用のバーベキューサイト、ケビンがあり、2022年6月には新たにソロキャン向けのこもれびサイトが林間に増設された。 温水が使える炊事場や温水洗浄便座のトイレ、コインシャワーなど、サニタリー施設も使い勝手がよく清潔に管理されている。管理棟には売店があり、キャンプ用の燃料なども売っている。薪は量り売りなので、必要な分だけ買えるのがとてもありがたい。 本当は今回、こもれびサイトを利用したかったのだが、場内整備工事のため利用できず、やむなくフリーサイトを利用することにした。また、2023年4月1日より新たに環境整備費が設定され、その分利用料金が上がっている。
■サイトの種類
▶フリーサイト
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10組程度収用できそうだが、現在、7組の利用制限をしている。サイトは芝生(草地と土)で車の乗り入れはできない。車は管理棟前の駐車場に止めて、そこから荷物を運ぶことになるが、1輪車が4台用意されている。 駐車場からサイトまでの距離は20~40mある。ただ、バイクは押していけばサイトまで乗り入れ可とのこと。フリーサイトは1組分として5人用以下のテントとタープ1張りが基本。
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管理棟の横に荷物運搬用の一輪車が置いてある
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今回利用したフリーサイト。バイクは押していけばサイトに置ける
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テントを設営したら道の駅しもつまで買ったクラフトビール、しもつまビールを飲みながら焚火の準備
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日が暮れたら焚火を見ながらお楽しみタイム。キャンプでその土地の地酒を飲む! これがキャンプの楽しみ
▶こもれびサイト
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5区画分あり、サイトの大きさはまちまちで、小さいサイトは4m×5mほど、大きいサイトは10m×3~4mほどで、1区画が3分割されたグループサイトもある。サイトへの車の乗り入れはできないが、すぐ近くに専用駐車場があり、こちらにも1輪車が3台用意されている。駐車場からサイトまでの距離は10~30mほど。サイトはテント1張り分が基本だが、サイトに収まればタープも設営可能だ。フリーサイトに比べ、プライベート空間は確保されている。
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こもれびサイトの入り口にある専用駐車場。一輪車も用意されている
▶オートサイト
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1区画10m×10mの広さで全20区画。すべてのサイトにAC電源が設置されている。1サイトにつき車1台、5人用テントとタープ1張りの設営が基本。キャンプ場の一番下にあり、管理棟からは離れているが、炊事場とトイレはオートサイトにもある
■場内施設
▶管理棟 受付のある管理棟には売店やコインシャワー、多目的室がある。 売店にはOD缶(コールマン)、CD缶、ホワイトガソリンや薪、炭、着火剤、乾電池のほか、氷や調味料、お菓子、カップ麺、ゴミ袋などがある。ビールなどのアルコール飲料はないので要注意。 ▶炊事棟 フリーサイトにあるバーベキュー棟内とオートサイトの2か所に広々とした炊事棟があり、いずれも温水が使え、作業スペースもある。 ▶トイレ トイレもフリーサイトとオートサイトの2か所にあり、温水洗浄便座付きの洋式水洗トイレを完備。
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管理棟営業時間は8:30~21:00でシャワー利用時間も同じ。シャワーは1回大人300円、小学生150円。レンタル品もひと通りそろっている
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薪は1㎏140円で量り売り。焚き付け用もある
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炊事場には温水が使えるシンクもある。洗剤、スポンジ、たわしが常備。とても清潔に管理されている
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フリーサイトにあるトイレ。もちろん男女別で管理も行き届いている
■ケビン
キャンプ場の高台に4棟ある。定員は5名で、キッチン、バス、トイレ付き。冷蔵庫や電子レンジ、調理器具、食器、テレビ、エアコン、寝具も完備なので、食材さえ持ち込めば、別荘感覚で楽しめる。
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ケビンでまずは手軽にキャンプの雰囲気を楽しんでみるのも良い
▶キャンプ場基本データ◀
所 茨城県石岡市小幡2132−14 ツーリングマップル➡関東甲信越57J-4 TEL 0299-42-2922 開設期間 通年 ※冬期(12~3月)は水曜休 予約 利用日の3カ月前から受付開始 WEB予約 ※こもれびサイトは電話予約のみ CHECK IN 14:00/OUT 10:00 <ソロキャンプモデル料金> ソロキャンプ(こもれびサイトまたはフリーサイト利用)2400円 環境整備費 大人200円、小学生100円 こもれびサイト 2200円 フリーサイト 2200円 オートサイト1区画(車1台、5人用テント+タープ1張り) 5500円 ※JAF優待割引あり <ゴミ処理> 可燃物/生ごみ/缶・金属類(ガス缶は穴をあけて)/ペットボトル(中を洗いラベルははがす、キャップは別)/ビンに分別収集。ビニール袋などに入れて分別。ゴミ袋(30ℓ30円、45ℓ40円、90ℓ60円)販売あり。 <周辺情報>※( )内はバイクでの距離 温泉:やさと温泉ゆりの郷 茨城県石岡市小幡1416 TEL 0299-42-4126 ➡約3km(約16㎞) 道の駅:道の駅 しもつま 茨城県下妻市数須140 TEL 0296-30-5294 ➡19㎞(約21㎞) スーパー:TAIRAYA 真壁店 茨城県桜川市真壁町飯塚994 TEL 0296-23-8585 ➡約6㎞(約10㎞) ホームセンター:コメリ 茨城県桜川市真壁町桜井349 TEL 0296-20-7022 ➡約7km(約11㎞)
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ゴミは規定通り分別すれば、ほとんど捨てることができる
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消し炭や灰、燃え残りの薪捨て場もトイレの裏にある
筑波高原キャンプ場
バイクでつくばねオートキャンプ場へ行く途中にある筑波高原キャンプ場にも立ち寄ってきたので、その様子も紹介しよう。 筑波高原キャンプ場は筑波山北側の登山道入り口にあり、標高は500m。駐車場は登山者用と共用で第1から第3駐車場まであり、第3駐車場がキャンプ場入り口に近い。テントサイトは山の斜面にひな壇状にあり、一番下に管理棟とファイヤーサークル、バーベキューサイト、その上に3段のテントサイトがあり、一部デッキが設置されている。 テントサイトは15組分で、駐車場からは階段や坂道をそれなりに上がっていくため、カートなどは使えない。炊事場は駐車場の近くにあり、テントサイトからは離れている。トイレは3か所あるが、いずれも昔ながらのトイレで一部使用不可になっている。また、場内にはケビンもあったが、現在は老朽化のため使われていない。 このキャンプ場は展望が開けていて、とくに上段のサイトから関東平野を見渡す眺望は素晴らしい。夜は夜景や星空もきれいに見えるだろう。この時期、場内にはカタクリの花があちらこちらに咲いていた。キャンプ場から筑波山山頂へは1時間ほどなので、登山者の利用が多いようだ。全体的には施設の老朽化が気になるところ。 <筑波高原キャンプ場基本データ> 住所 茨城県桜川市真壁町羽鳥土俵場国有林 TEL 0296-55-1159(桜川市商工観光課) 開設期間 5~9月(5・6・9月は金・土・日曜、祝日営業、7・8月は無休) 予約 利用月の2カ月前の1日からWEBにて受付開始 CHECK IN 10:00/OUT 10:00 料金 小学生以上1人500円
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キャンプ場下段のファイヤーサークルとバーベキューサイト
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上段のテントサイトからの展望
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駐車場のすぐ上にある屋根付きの炊事場。炊飯用のかまどもある
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テントサイトにある男子トイレの個室は使用禁止。駐車場入り口にあるトイレも使用禁止だった