2024.10.28

(まとめ)【バイク用レインウェアの選び方】ツーリングマップル取材担当者が使っているアイテムはこれ

こんにちは。ゲリラ豪雨に悩まされる夏は終わりましたが、秋は秋で、霧雨煙る日が多いですね。家や喫茶店でぼんやり眺める雨、それはそれで風情があって悪くないのですが、バイクツーリング中ともなると、話は別。あんまりうれしくはないですね。 そこで今回は、夏に配信した記事「【私の雨対策】ツーリング時こんなグッズ使ってます」から、ツーリングマップル7エリアの取材担当者が実際に使っているレインウェアについて、ピックアップしてご紹介します。カッパ何買おうかなって悩んでる方はぜひご参考にどうぞ。

著・編集部マスキ

バイク用レインウェア選びの基準


ツーリングライダーには絶対必要なレインウェア。必須アイテムなだけに、2000円代のお手軽品から3,4万円する高機能なものまで、まさにピンからキリまでそろっていますよね。高くなれば機能が良くなるのは当然ですが、どこまでを求めるのか、いくらまで払えるのか、悩ましいところですが、機能で選ぶ際、見るべきポイントは大きく2つ。【耐水圧】と【透湿性】になります。 【一般的な「耐水圧」の基準】 耐水圧とは、簡単に言えば「どのくらいの水を通さないか」という力。数値が大きいほど強い雨に耐えることができます。 300mm:小雨に耐える 2,000mm:中程度の雨に耐える 10,000mm:大雨に耐える/通常走行に耐える 20,000mm:嵐に耐える/高速走行に耐える バイクは速度が出るので、徒歩用のものより耐水圧が必要です。なので10,000mm以上はほしいところ。高速道路も走るなら20,000mm以上が望ましいです。ただ、ひどい雨の中を高速走行するのはとても危険なので、いくら高機能のレインウェアを持っていても、無理はせず、余裕があるなら雨風が弱まるのを待ちましょう。いずれにせよ、ツーリングシーンは通勤・通学と違い、長時間運転することも多く、それだけ雨の影響も強く受けます。耐水圧の高いものを選びましょう。 【一般的な「透湿性」の基準】 レインウェアの透湿性とは、内部の湿気を外に逃がす能力のこと。体から発生する汗や蒸気は、外に出さないとどんどん蒸れて、ビショビショになってしまいます。それをいかに排出するかが、耐水圧と並んで重要になる透湿性。数値は1㎡あたり24時間でどれくらいの水分を通すかを指します。 低透湿(1,000g):軽い雨や短時間の使用に向く 中透湿(1,000~5,000g):日常的な活動には十分 高透湿(5,000~10,000g):激しい運動や長時間使用に耐える 超高透湿(10,000g以上):厳しい環境でも快適さを保つ バイクの運転は「激しい運動」に入るため、最低でも5,000g、できれば8,000g以上の高透湿のものを選びたいところ。透湿性が高いほど蒸れにくく、長時間の走行にも耐えられます。低透湿だと、本当にあっという間にびしょびしょになります。 レインウェアの価格はおおむねこの耐水圧と透湿性に比例します。(ワークマンだけちょっと例外かもしれませんが)

外からは通さず、内からは通すって、よく考えたらすごい技術ですよね…ありがたすぎる

取材担当者と使用レインウェア一覧


では、超ベテランライダーのツーリングマップル取材陣は、どんなものを使っているのでしょうか。見ていきましょう。 <担当者と使用商品一覧> ◆東北担当:カソリさん 「風魔プラス1 レインウェア(商品名不明)」 ◆九州沖縄担当:坂口さん 「Rosso StyleLab レディースレインスーツ」 ◆関西担当:滝野沢さん 「ワークマン3レイヤー透湿レインスーツ バイカーズ」 ◆中国四国担当:博田さん 「モンベル ストームバイカー(ジャケット・パンツ)」 ◆中部北陸担当:内田さん 「POWER AGE ウォータープルーフライダース(旧製品)」 ◆関東甲信越担当 「ワイズギア サイバーテックスII」 ◆北海道担当:小原さん 「ゴールドウィン レインスーツ(GSM12015)」

雨の日は、おでかけやめちゃいたくなるよね…

1.東北担当カソリさんのレインウェア


【10年以上使っている風魔プラス1のレインウェア】 (商品名、その他詳細は不明) これは…見るからに、雨を通しまくりそうな…。さすがに買い替えてほしい(苦笑) (カソリさんのコメント引用抜粋)現在使用しているレインウェアは、10年以上使っている風魔プラス1のレインウェア(商品名は不明)。さすがに、防水・耐水性能は落ちていて、激しい雨だと中はビチョビチョ。でも、それでも使う!使っていて良いと感じる点は、耐久性の高さとコンパクトに収納できるのでデイパックの底にすっぽりと入ること。(引用ここまで) 「激しい雨だと中はビチョビチョ」って、そりゃそうでしょう(涙)。レインウェアはメンテナンスをしっかりしていても経年劣化するので、浸水が防げなくなったり、コーティング層が剝がれてきたら役目を果たせません。早く新しいのに換えてください!(この記事の後、さすがに新調されたという噂…)

事故に遭ったのかと思っちゃいそうなジャケット…

2.九州沖縄担当坂口さんのレインウェア


【Rosso StyleLab レディースレインスーツ】 ¥11,880 (税込) 防水率10,000mm 透湿圧5,000g/㎡/24h ※表現はメーカー表記に従っています(以下同様) 女性向けのおしゃれなバイクウェアブランド「ロッソスタイルラボ」のレインウェア。 (坂口さんのコメント引用抜粋)さすがに警報級の雨では少し濡れ感ありですが、そもそもそんな状況ではバイクに乗らないほうが良いので参考にはならないですね。レディース用なので、シルエットは少しタイト。なので、1サイズ上のものを購入しています。(引用ここまで) 数値的にも価格的にも、必要十分といったイメージのレインウェア。坂口さんも書かれているように、あまりひどい雨の場合はバイクに乗るのは避けるのが賢明ですね。よりアクティブに走る方は、もう少し機能の高いモデルを選ぶのがいいかもしれません。

レインウェアはサイズ感も重要。試着してみるのが無難ですね

3.関西担当滝野沢さんのレインウェア


【ワークマン 3レイヤー透湿レインスーツ バイカーズ】 ¥6,800 耐水圧20,000mm 透湿度2,000g/㎡/24h (滝野沢さんのコメント引用抜粋)取材先の敦賀市内で購入。友人が使っていて良いと言っていたのが選んだ理由です。大雨の中の走行はまだ無いのですが、ほとんど濡れることはないです。フードが付いているのも私的にはGOOD。以前使っていたレインウェアはフードがなくて、ヘルメットを取ったら雨に濡れてしまい、バイク用でもフードがあったほうがいいなと思っています。ただ、収納が少しかさばります。(引用ここまで) 6800円で耐水圧20,000mmというのが驚異的です。ただ、透湿度が足りないかなという印象。短時間の使用なら大丈夫かもしれませんが、長時間着るとべたついてしまう可能性があります。ワークマンからは、低価格で、より透湿性を重視したウェアや、撥水性能の高いウェアも出ていて、バリエーション豊富なので、気になるものをひとつ試してみてもいいと思います。ちなみにワタクシ、ワークマンのレインウェアをよく防寒着として使っていたのですが、先日キャンプ中に焚火の火が飛んできて、胸に穴が開いてしまいました…。もうレインウェアとしては使えませんね…

ワークマンは価格が安いのでサブとして買ってみるのもアリだと思います

4.中国四国担当博田さんのレインウェア


【モンベルのストームバイカージャケットとストームバイカーパンツ】 ジャケット¥16,500(税込) パンツ¥13,750(税込) 耐水圧20,000mm以上 透湿性15,000g/㎡/24h ご存じアウトドアブランドのモンベル。山のイメージが強いですが、バイク乗りに適した用品も多く、何らかモンベルの製品を使っている人も多いんじゃないでしょうか。 (博田さんのコメント引用抜粋)高い防水性能と、軽量性、着心地の良さ、雨が入りにくい手首の折り返し、使いやすいバタつき防止のベルトなどが気に入っています。 ただ、パンツの裾の絞り具合を調整するベルクロがしっかり固定できていないと走行中に裾が上がってしまうことが気になります。(引用ここまで) モンベルのレインウェアには独自の防水透湿素材「ドライテック」が使われています。耐水圧20,000mm以上、透湿性15,000gという数値からも、かなり高機能であることが分かりますよね。相当な雨であっても、快適にツーリングできるんじゃないでしょうか。お値段は上下合わせて3万円程度。決して安くはありませんが、機能から考えるとお買い得と言っても良いと思います。また多くのバイク用レインウェアが上下セットであるのに対し、こちらの商品は上下別売りとなっています。レインウェアはたいていパンツの方から劣化するので(特に股部分がシートとの摩擦で劣化して、浸水しがち)、分けて買えると助かりますよね。

個人的にちょっとあこがれていたりします。ストームバイカー

5.中部北陸担当内田さんのレインウェア


【パワーエイジのウォータープルーフライダース(旧製品)】 ※旧製品のため詳細不明 ※現行の同名商品は別物なのでご注意ください。 シンプルなデザインとすっきりとしたシルエットで、高機能な製品を出すパワーエイジのレインウェア。写真からも、一般的なバイク用レインウェアに比べ、すっきりとした印象が見て取れますね。 (内田さんのコメント引用抜粋)すっきりしたシルエットも選んだ理由のひとつ。しかも、ベースはゆったりしていて、それを各部のアジャスト範囲を広くとることで実現しているので、タイトにならず、バタつきなども皆無なのが良いです。ただし、ファブリックのボリュームがかなりあってかさばるのが唯一気になる点ですが、それは防水性や耐久性とのトレードオフなので我慢しています。新しいワンピースタイプは軽量化されているようなので、次に買い換えるとしたらはそれかなと思っています。(引用ここまで) この製品は私も手に取って見たことがありますが、生地に厚みがあって、これはなかなか浸水しなさそうだなと思ったのを覚えています。レインウェアは使う機会が少ないため、軽量性や収納時のコンパクトさも欲しいところですが、内田さんも言うように、荷物が大きくなるのを気にしないなら、防水性・耐久性をとるのもありだと思います。

デザインがシュッとしててカッコいいですよね

6.関東甲信越担当中村さんのレインウェア


【ワイズギア サイバーテックスII】 ¥15,400(税込) 耐水圧:20,000mm 透湿量:12,000g ヤマハの子会社で、ウェアをはじめ様々なバイク用品を作っているワイズギアのレインウェア。 (中村さんのコメント引用抜粋)これを選んだのはまず、比較的手ごろな値段だったこと、そして、パンツのウエスト部分に付いているウエストダブルガードやネックダブルガードなど、できるだけ水の浸入をできるだけ防ぐ工夫がされているな、と感じたのもポイントです。(引用ここまで) 高耐水・高透湿性能をもつYAMAHAオリジナル素材の「CYBER TEX II」を使用していて、数値もモンベルのストームバイカーに近い商品ですね。それでいてお値段は半分程度。さらに、雨が入りやすい襟・袖・腹部の3ヶ所を二重にカバーする「Wガードシステム」を搭載しているので、しっかり着ることで雨の日にも快適なライディングができそうです。

間違いない選択。安心機能で価格もありがたい

7.北海道担当小原さんのレインウェア


【ゴールドウィン レインスーツ(GSM12015)】 ※廃番のため詳細不明 スキーをはじめとしたスポーツ、アウトドア製品に定評あるGOLDWINのレインウェア。23年に、モーターサイクル分野の商品ラインナップが大々的に刷新され、レインウェアもここで紹介するものとは全く別のものが出ています。 (小原さんのコメント引用抜粋)雨天時は視界が悪くなるので、ほかの車から見えるよう、目立つオレンジ色のカラーを選択した。バイクジャケットの上に着るので、通常着るものよりも2サイズ大きめに。暑い日には厳しいが、着るときには襟元、袖をしっかり閉めて、雨の侵入を防ぐようにしている。(引用ここまで) 廃番となっているため、数値などの詳細は不明ですが、バイク用レインウェアとしては必要十分な機能を持っていると思われます。ちなみに現行販売されているモーターサイクル用レインウェア「ライディング レイン シェル」はメチャカッコいいです。定価税込39800円と、なかなかのお値段ですが、長く使えそうですし、ジャケットは普通に寒い時期のアウターとしても着れそうな印象ですね。

ちょっとシワが気になりますね(苦笑)使わないときはハンガーにかけとくのがいいみたいですよ

編集担当のレインウェアは?


最後にどうでもいいかもしれませんが、編集担当のワタクシのレインウェアも紹介しておきます。以下の2つを、その時々によって使い分けています。 ★ワークマン イナレムストレッチレインスーツ ¥5500 耐水圧20,000mm 透湿度25,000g ★ゴールドウイン GSM22902 GWS Gベクター3 コンパクトレインスーツ ¥13000程度 耐水圧20,000mm以上 透湿性8,000g

ワークマン イナレムストレッチレインスーツ

ゴールドウイン GSM22902 GWS Gベクター3 コンパクトレインスーツ

ワークマンのイナレムはストレッチが効いていて、ゴワゴワガサガサせずに、比較的スマートに着られるところが良いです。バイク用じゃないので、乗っていない時でも着やすいし、ちょっと寒い時の防寒着としても使い勝手がいいです。デザインもいかにもレインウェアって感じじゃなくて、普段着にもできちゃう。なによりこの価格でこの数値もすごいです(どうなってんの!?)。一方ゴールドウインの方も、透湿性の数値はワークマンに劣りますが、生地や各パーツがやはりバイクに乗ることを前提として作られているので、頼れる安心感があります。 なぜこの2つを使ってるのかって話ですが、最初はワークマンのイナレムだけを使ってたんです。でもある日、大雨の日に高速道路を走らなければならない時があって、これを着ていたところ、かなり早い段階で全身がびしょ濡れに浸水しまして。おそらくファスナーやポケットの部分にフラップがないなど、「バイクに乗る前提のものではない」ためだと思われます。止水ファスナーではあるんですが、やはりファスナーがむき出しになっていると、そこから浸水しやすいです。生地も、バイクの高速度で勢いづく雨を撥水しきるのは難しいのでしょう。その点、ゴールドウインの方は、同じように大雨の日に高速道路を走っても、ほとんど濡れることはなかったです。やはりバイクに乗る前提のモデルは違いますね。 どちらもコンパクトに収納できて、荷物としての負担も同じくらい。ですがやはり着やすさという点ではワークマンのイナレムが勝ります。近場、短時間の移動であればワークマンのイナレム、ある程度遠出のツーリング時や、あらかじめ天気予報で降ることが分かっている場合はゴールドウイン、という風に使い分けています。ですが先述したようにキャンプの焚火でワークマンは穴が開いてしまったので、新しいのを買わなきゃなと思っています。 このように、数値だけでは判断できない、各商品のパーツや、カラー、サイズ感なども重要なポイントだったりします。皆さんもいくつか試しながら、自分に合うものを見つけてみて下さい! それでは今回はこの辺りで。

色やシルエットなど、見た目も大事な要素です!(見た目好きだとテンション上がるから)

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