2021.12.13

ツーリングマップル2022年度版 撮影旅日記【中部北陸(前編)】

九州沖縄編からスタートしたツーリングマップルの撮影旅日記、今回からの中部北陸編で最後になります。まずは前編からどうぞ。

著・内田一成/撮影・盛長幸夫・内田一成

<表紙撮影1日目>


もう数年前からの構想で、表紙写真にキャンプ風景を使えないかと思っていた。それも、できれば自然の中でソリチュードを味わっているようなソロキャンプの風景を。 2020年、友人が長野県の山間にあるキャンプ場の指定管理者となって、撮影に協力してくれるとのことで、勇んで出かけていったものの、なんと前週の集中豪雨でキャンプ場までのアクセス道路が崩壊してたどり着けなくなってしまった。 そんな経緯があって、今年は、満を持して2020年に果たせなかったロケに賭けることにした。

ところが、撮影初日から雲行きが怪しい。雲行きといっても、天気が悪いわけではなく、むしろ天気は最高で、ロケーションにもってこいの快晴だったのに、盛長カメラマンが待ち合わせ場所にいっこうに現れないのだ。 しつこく携帯を鳴らすと、寝ぼけ声で「途中のサービスエリアで爆睡してしまった」とのこと。なにやら幸先の怪しいロケとなってしまった。 結局、R152でのロケはできなくなって、一人むなしく快晴の光景をバイクを止めておさめつつ、新たに待ち合わせ場所に設定した飯田の道の駅南信州とよおかマルシェ(ツーリングマップル中部北陸52D-5/ツーリングマップル関東甲信越22D-5)に向かう。

撮影初日快晴。盛長カメラマンとの合流場所へ急ぐ。八ヶ岳中腹から上信方面を望む

高遠の農家レストラン「こかげ」(ツーリングマップル中部北陸72J-7/ツーリングマップル関東甲信越44J-7)でボリュームたっぷりのランチ

なんと、盛長カメラマン大遅刻で、一人クルーズ。R152大鹿付近にて

スーパーマーケット併設のこの道の駅では、ちょうどマツタケがまっさかりで、大ぶりの立派なものが並んでいる。 「今夜は気張って、マツタケ三昧といくか」 とも一瞬思ったが、いくらマツタケの産地とはいえ、チープなツーリングマップルの取材予算では、手も足も出ない。よだれを流しつつ、諦めざるを得なかった。 ここで、キャンプ場を管理している友人の今井さんと合流。ジェラートなど食べつつ、盛長カメラマンを待つ。

ようやく道の駅「とよおかマルシェ」で盛長カメラマンと合流。盛りのマツタケは予算をはるかにオーバーで手が出せず

マツタケの代わり? に、ジェラートでお茶を濁す

だいぶ陽も回ってから、ようやく盛長カメラマンが到着。今井さんの先導で、豊丘村の山中にある野田平(のたのひら)キャンプ場(ツーリングマップル中部北陸52G-5/ツーリングマップル関東甲信越22G-5)に向かう。 途中の街道は、リニア新幹線の工事車両が行き交い、かなり気を使うが、その現場を過ぎてキャンプサイトに着くと、そこは人家からもかなり隔絶されたまさに別天地。廃校になった小学校の分校跡の広い校庭とその先の草地が広いフリーサイトで、傍らには清流が流れている。 最近、巷ではサウナがブームで、サウナ好きを「サウナー」というのだそうだが、そのサウナーが移動式のサウナを積んだ車でやってきて、渓流沿いで楽しんでいるのだとか。キャンプ場にも貸出用のサウナが用意してあって、予約すれば使えるとのことだが、今回はセッティングするのも億劫なので、またプライベートでやってきたときのお楽しみにすることに。 その代わり、スウェーデントーチを今井さんが差し入れてくれて、これで初秋の山の冷え込みのストーブ代わりにするとともに、煮炊きにも使った。 結局、初日はたいしたロケにならなかったけれど、夜はリッチな気分で充実して過ごすことができた。

スウェーデントーチに火を入れて、なんだか妙にリッチなキャンピングに

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